首都圏の中学受験「今年も厳しい」 志願者数増の人気校に見る、“難関大進学”ではない納得のニーズ
▼【探究】
新学習指導要領でも重視されている「探究」という言葉が、以前にも増してクローズアップされるようになりました。今や、どこの学校も探究というキーワードを使うようになりましたから、より具体的にどんな活動をしているのか、踏み込んで見る必要があります。 学校によって取り組みはさまざまですが、以下のようなものがよく見られる取り組みです。 ・行政や企業と組んでそれぞれの課題を解決するためのプロジェクトを動かす ・個人の興味関心を元に長期にわたって研究を行い、論文にまとめて発表する ・修学旅行の行き先を検討、実施、振り返るところまで生徒主体で行う ・行事の運営を1つのプロジェクト活動と捉え、生徒に主体的に取り組ませる もちろんこれらも探究ですが、総合の時間だけでなく、教科の枠を超えて生徒自らが課題を見つけて設定し、横断的かつ総合的な学習を行う学校もあります。 探究に力を入れている学校としては、かえつ有明中学校や元麹町中学校校長の工藤勇一氏が改革を進めた横浜創英中学校、自由教育の流れをくむドルトン東京学園中等部など。出口を大学進学だけにおかず、変化する社会を見据えて主体的に生きる力を育む教育を行う学校として、これまでの大学進学をゴールにした中等教育に疑問を持つ層から支持されています。
▼【STEAM】
STEAMとは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・数学(Mathematics)の頭文字をとったもの。日本では理系人材が不足しているといわれています。 先ごろ、国際的な学力調査の1つ、TIMSSの結果が発表になりましたが、そこでも日本では理系に関心を持つ生徒が海外に比べて少ないという結果となりました。国も生き残りをかけ、技術革新を担う人材を育てるため、全国にDXハイスクールを設置するなど、STEAM教育に力を入れようとしているのです。 2024年入試でも、芝浦工業大学附属中学校、東京電機大学中学校、東京都市大学付属中学校などが、中堅校の中で理系進学に強い学校として受験生を増やしました。理系の勉強が好きというお子さんなら、実験室の設備やその使われ方、またDXの分野に関する取り組みなどもチェックされるといいでしょう。