パンツ人口のほうが多い時代に「スカート専門ブランド」を立ち上げた「SHE Tokyo」が人気の理由とは?
40代の女性がディレクターやデザイナーを務め、実店舗を持たず、SNS発信を得意とする小規模な独立系ファッションブランドが近年人気を集めています。そんなブランドのひとつが、スカートに特化したブランドとしてスカート派のmi-mollet世代から熱い支持を集める「SHE Tokyo」。ディレクターを務める古端果林さんに、スカートブランドを立ち上げた理由やブランド運営のこだわりなどを聞きました。 【着用写真】SHE Tokyo定番のフレアスカート、この冬はどう着るのが正解?
パンツ人口の方が多いことは分かっていたけれど。「スカートといえばここ」と言われるブランドを目指してスタート
実際に穿くと驚くほどスタイルが良く見えて、気分が高揚する」と、リピーターが多いことでも知られるスカートブランド「SHE Tokyo(シー トーキョー)」。まずはブランドスタートのきっかけから伺いました。 「ブランドをスタートして、今年で8年が経ちました。百貨店勤務を経てSPA企業でプライベートブランドの服を開発していたときに、当時の取引先の社長から何気ない会話の中で『今好きなことをやっていいって言われたら、あなたは何をしたい?』と聞かれたんです。そのとき『何をやってもいいんだったら、大人の女性のためのスカートブランドを作りたい』と自然と答えていた自分がいて……。 社長の会社は30年以上続いている、特にメンズに強い、クラシックな服作りをする今の時代では希少な会社。クラシック志向の私は、彼らの物作りへの姿勢にも共感していたため、そこから意気投合して一緒にやろうという話になり、2017年にチームで『SHE Tokyo』を立ち上げました。 ブランドを立ち上げる前に調べたデータによると、現代女性は就業率の高さからスカートよりもパンツの着用率が圧倒的に高いので、パンツを作ったほうが有利なことは初めから分かっていました。それでもスカートに特化した理由は、個人的にスカートが好きということに加えて、百貨店で商品買付をしていたときに、 スカートを安定的に買付けられるブランドが少ないと感じていたから。パンツやニットのように『このアイテムといえばここ!』と第一想起されるブランドがスカートにはないからこそ、そこに向かってやろうと決めました」