落とし物を拾った際の報労金にも「税金がかかる」って本当ですか?むやみに落し物は拾わない方がいいでしょうか?
お金を拾った場合には、一定額の「報労金」と呼ばれるお礼がもらえることになっています。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? ただし、報労金にも税金がかかることを知らない方も多いのではないでしょうか。 本記事では、落とし物の報労金に関する税金の扱いを詳しく説明します。報労金が所得税の対象となる理由や、その計算方法、確定申告時の注意点について解説します。
落とし物を拾った方の権利
落とし物を拾った日から7日以内に届け出をした人は、遺失物法により次のとおり3つの権利があります。 ・報労金を請求する権利 ・届ける際にかかった費用を請求する権利 ・落とし物の所有権を取得する権利 報労金とはお礼のことを指し、落とし物の価格の5~20%の額を請求することができます。また、落とし物を届ける際に費用が発生した場合には、別途その費用を請求可能です。持ち主は、報労金の請求を拒否することはできません。 そして、3ヶ月経過しても持ち主が現れなかった場合には、拾った方に拾得物の取得権利が移ります。ただし、刀や銃、大麻や覚せい剤などの所持禁止物品や運転免許証、健康保険証、クレジットカードなどの個人情報関連のものは、所有権を持てません。
報労金の取り扱い
所得税法第34条によると、拾得物の取得権利を得た場合や報労金を得た場合は一時所得として取り扱われます。 国税庁によれば、一時所得とは「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」とのことです。一時所得には、次のようなものが含まれます。 ・懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除く) ・競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く) ・生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除く)や損害保険の満期返戻金など ・法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除く) ・遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金など ・資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの 労働による給料や継続的なギャンブルによる利益などではない場合には一時所得となるため、報労金に関しても一時所得になるのです。