T-岡田 涙なしの引退会見 オリックス一筋19年「本当に幸せな時間」 恩師の阪神・岡田監督にも感謝
今季限りで引退するオリックス・T-岡田外野手(36)が10日、京セラドーム大阪で会見を行い、涙なし、すっきりした表情で「本当に幸せな時間でした」と19年間の現役生活を振り返った。 【写真】引退会見に駆けつけた杉本と西野 最後はお決まりのポーズで3ショ 2010年に33本塁打を放ち、初の本塁打王に輝いた時の指揮官だった岡田監督(現阪神監督)への感謝の思いがあふれ出た。数日前に引退を電話で報告。「お疲れさま、よう頑張ったな」とねぎらわれたという。 結果が出なくても、岡田監督は起用し続けてくれた。10年から登録名を「T-岡田」に変えたのも恩師の就任がきっかけだった。「19年間しんどいこともすごく多かったけど、(岡田監督の言葉を聞いて)報われた感じはありました」と、ようやく肩の荷を下ろした。 忘れられない思い出は21年の優勝。9月30日・ロッテ戦ではあと1敗すれば自力優勝消滅という状況で、九回2死から逆転3ランを放った。「16年目で初めて優勝できた瞬間はむちゃくちゃうれしかったです」。Bクラスが続いた低迷期、あと一歩で優勝を逃した過去を知るからこそ喜びはひとしおだった。 05年度高校生ドラフト1位で入団し、オリックス一筋で通算204本塁打を放った。功労者に球団はコーチなど今後も球団に関わるポストを打診する。T-岡田は「19年間走り続けた体をゆっくり休めて、これからをしっかり考えて。19年お世話になったので、どういう形か分からないですけど、力になりたい」と球団愛をにじませた。 ◆T-岡田(本名・岡田貴弘=おかだ・たかひろ)1988年2月9日生まれ、36歳。大阪府出身。187センチ、100キロ。左投げ左打ち。外野手。履正社から2005年度高校生ドラフト1巡目でオリックス入団。プロ1年目の06年8月10日・西武戦でプロ初出場。10年に登録名を「T-岡田」に変更。本塁打王とベストナイン各1回(いずれも10年)、ゴールデングラブ賞1回(14年)。