春高県大会決勝で42得点をあげた“おっとりエース”全国大会開会式で選手宣誓の大役! 長崎・鎮西学院ベスト4を狙う
高校バレーボールの頂点を決める春高バレーが1月5日に開幕する。長崎の男子代表は3年ぶり2度目の出場となる鎮西学院高校。2022年1月の初出場時に初戦敗退で終わった経験を糧に、目標のベスト4へ一丸となっている。そんなチームを引っ張るのは、“おっとり”したエース兼キャプテンだ。 【画像】山本選手コートを離れると愛らしい一面も!
初戦敗退の教訓を糧に
3年ぶり2度目の春高に出場する鎮西学院高校男子バレー部。この日は学校を飛び出し、県外での練習だ。 3年前に初めて春高の聖地を経験した戸田淳一監督は、他の試合と比べた春高の違いを「雰囲気」だと話す。有観客、コートの広さ、空間、床、すべてが違うという。 初めて春高に乗り込んだ鎮西学院は、“聖地”東京体育館の空気感やクッション性に優れた床に戸惑い、初戦で姿を消した。県外への遠征はこの反省を生かし、天井の高い空間や東京体育館と同じ床に慣れる狙いがある。 戸田監督は「春高は一瞬で終わる。力がないチームだと特に。そこを踏まえて、そうならないようにしっかり練習をしてトレーニングをして、気持ちをしっかり作って臨みたい」と語る。
バレーになると“おっとり”が“頼もしい”エースに
3年生の山本澪主将は県外のコートでの練習は貴重な機会ととらえ、仲間たちに声をかけていた。 山本選手は身長186cmと「高さ」と「決定力」のあるエース。キャプテンも務めるチームの大黒柱だ。山本選手は、熱血漢でイメージされるいわゆる「キャプテン像」には当てはまらない。 クラスではおっとりしていると見られる山本選手だが、バレーになると変わる。チームをしっかり引っ張り、試合になるとさらに頼もしさが増す。 全国大会の切符がかかった11月の春高県大会の決勝戦。先にマッチポイントを取られ、追い込まれた状況でも悠然と得点を決め、全点数(118点)の3分の1にあたる42得点を上げた。「終盤は全部持って来いという気持ちでやっていた」と山本選手は大会を振り返る。 佐世保市出身の山本選手は、学校そばの寮で暮らしている。ぬいぐるみに癒しを感じ、寝るときは抱き枕を手放せない。 昔からポケモンなどかわいいキャラクターに目がないという愛らしい一面も。寮生活で身の回りのことを一通り自分でこなせるようになり、親元を離れて精神的にも成長したという山本選手。エースとしての自覚を高めるきっかけにしてほしいと、監督から人生初のキャプテンに指名されたのだった。山本選手は「いやでも動かないといけないから、動く力は付いたと思う」と語る。