心理学者が伝授、「愛情」よりも大切な関係維持の要素とは
ストレス要因のバッファーとなり日常に遊び心を加える
■4. ユーモアは人生のストレス要因に対するバッファーとなる 仕事のストレス、家族の責任、健康問題など、人生には多くのシリアスな要素がある。しかし、ユーモアは手軽に使える対処メカニズムとして機能する。それはストレスからの解放と、精神的な休息を楽しむ手段だ。一緒に笑うことで、カップルはお互いを支えやすくなり、プレッシャー下でも団結を保つためのバッファーを作り出す。 時間が経つにつれ、人生のプレッシャーは関係の親密さを削ぎ落とすことがある。しかし、ユーモアはカップルが一緒にリラックスし、圧倒されずに挑戦に直面することを助ける。2020年の『PLOS ONE』に掲載された研究でも、頻繁な笑いがストレスフルな出来事の影響を軽減することが示されており、ユーモアが関係において貴重なバッファー効果を持つことが強調されている。 一緒にリラックスすることを習慣にしよう。たとえば、面白い番組を見たり、楽しい話を共有したり、面白い動画を一緒に見たりするなど。これらの軽いひとときは、人生が突きつけるプレッシャーからの小さな逃避となり、ストレスを抑えるのに役立つ。 ■5. ユーモアは日常生活に遊び心を加える どんな関係でもある程度のルーティン化は避けられないが、ユーモアは普通の瞬間を忘れられないものに変えることができる。日常のやり取りに定期的に笑いを取り入れるカップル(たとえば、小さな失敗を一緒に笑ったり、家事にユーモアを加えたりする)は、関係が生き生きとし、楽しいものになる。 パートナーが本当にお互いの存在を楽しむとき、最初に二人を結びつけた絆が強化される。2019年にJournal of Research in Personalityに掲載された研究では、「他者志向の遊び心(パートナーとのジョーク、遊び心のあるからかい、楽しい活動)」と「知的遊び心(軽妙で魅力的な会話)」の両方が、関係満足度の向上と関連していることが示された。 他者志向の遊び心は共有の笑いを通じて感情的な絆を強化し、知的遊び心は楽しい会話を通じて深いつながりを育む。これらの遊び心の形式が組み合わさることで、よりポジティブで充実した関係に寄与する。 日常のルーティンにユーモアを少し加えてみよう。たとえば、面白いメモを残したり、遊び心のあるニックネームを作ったり、軽いジョークを共有したりする。どんなささやかな瞬間でさえ、これらの小さな行為が楽しさを生み出し、2人のつながりを強く生き生きと保つことができる。 要するに、愛情があらゆる関係の基盤であることには変わりがないが、ユーモアはその炎を生き続けさせる秘密の材料なのだ。それは喜び、回復力、温かさをパートナー間のつながりに注ぎ込む。最後に一緒に笑い合えるカップルは、人生とお互いを軽やかさ、受容、喜びをもって見る独特の視点を育み、より長く一緒にいる傾向がある。笑い声が満ちるとき、人生の避けられない嵐の中でも関係は咲き続けることができる。
Mark Travers