ブガッティのアイコンモデルをテスト!ハイパーカーの先駆け「ブガッティEB 110 GT」のドライビングレポート!
最大トルク611Nmは「EB 110 GT」の4200rpmで発揮される。全体的な印象が洗練されているため、イタリア製ブガッティは実際よりも遅く感じられる。小さなスピードメーターを見ると、驚かされるかもしれない。1990年代当時、「EB 110 GT」は0から100km/hまでわずか3.5秒で加速した。この数字は、最高速度342km/hと言われているのと同じように、試乗中には確認しなかった。
最高速度342km/h
とはいえ、クワッドターボのV12が現在6000rpm以上に達するとは思えない。このブガッティは3万km以上走っており、ガレージクイーンではないが、7桁の価格を考えるとリスクは冒したくない。回転数が乱高下しなくても、「EB 110」が、まるで剃刀の刃の上を走るようなワイルドなスーパースポーツカーでないことは明らかだ。 その代わり、アルティオーリから生まれたこの車は、チタン製スクリューからフランスの航空宇宙企業「Aérospatiale」社製のカーボン製モノコックまで、「GT」の資質を備えた徹底的に洗練されたスポーツカーであり、重量はわずか1,250kgである。当時も今も、ブガッティはほとんどのスーパースポーツカーを日陰に追いやる。
さらにパワフルだったのは610馬力を発揮した「EB 110 SS」で、351km/hを記録し、一時は世界最速の市販車となった。7度のF1世界チャンピオンに輝いたミハエル シューマッハが、イエローの「ブガッティEB110 SS(ダークブルーのGTインテリア)」を長年所有していたのも不思議ではない。
新車価格は69万マルク(約5,708万円)
アルティオーリは、最も先進的で最速のスーパースポーツカーをデザイン&開発するという目標を達成した。当然のことながら、「EB 110」は当時最も高価な車のひとつでもあり、かつての新車価格は69万マルク(約4,708万円)だった。しかし、その購入価格には、最初の3年間はすべての消耗部品の費用をカバーするメンテナンスパッケージが含まれていた。 しかし、先進技術もオールインメンテナンスパッケージも、世界的な経済状況からブランドを救うことはできなかった。1995年の時点で、「ブガッティS.p.A.」は財務上の問題から破産を申請しなければならなかった。「EB 110」の生産はわずか128台で打ち切られた。 ヨッヘン ダウアーがルネッサンス期を迎え、1997年に「ブガッティS.p.A.」の残骸を取得し、最高出力705馬力の「ダウアーEB 110 SS」の生産に使用したが、「EB 110」はこのコンフィギュレーションでも成功を収めることはできなかった。