ブガッティのアイコンモデルをテスト!ハイパーカーの先駆け「ブガッティEB 110 GT」のドライビングレポート!
4基のターボチャージャー(後のヴェイロンやシロンにも搭載)により、3.5リッター12気筒エンジンはブースト圧1.05バールで560馬力を発生した。その後、「EB 110 SS」では610馬力(1.2バール)を発揮した。アルティオーリが当時のF1レギュレーションに従って選択した完全新開発エンジンは、数々のハイテクソリューションを誇っていたからだ。たとえば、シリンダーあたり5つのバルブは、当時としては個別のイグニッションコイルと同じくらい珍しいものだった。ドライサンプ潤滑システムには15リットルのオイルが使用され、エンジンはどんな状況でも適切に潤滑された。さらに、最高回転数8,250rpmはターボエンジンとしては異例の高回転であった。
予想とは異なるEB 110の走り
「EB 110」のステアリングを握ってみると、27/73%というリヤ偏重レイアウトの全輪駆動など、あらゆる技術的マジックに最初はほとんど気づかなかった。まあ、フットウェルはスーパースポーツカーとしては典型的に小さく、ペダルも近い。一方、クラッチは操作しやすい。6速マニュアルギアボックスは骨太で、ギアチェンジには力がいる。「フェラーリF50」と比べると、「EB 110」はとても運転しやすい。ニコライはブガッティを(非常に高価な)「トヨタ カローラ」と冗談を交えて語っていた。 フロントガラスが低いので前方の視界はよく、車内の音は抑えられている。バックミラーからはエンジンだけでなく、イグニッションをオンにすると電動で伸びるリヤウイングも見える。
数分間のウォームアップの後、初めてアクセルを踏み込む。V12クワッドターボのパワーデリバリーは、私の予想とはまったく違っていた。20年以上若い「シロン」のW16エンジンは、負荷がかかると大きく息を吸ってからビームを放つのとは対照的に、「EB 110」のV12は非常にリニアにパワーを発揮し、ほとんど自然吸気エンジンのように感じられる。「EB 110」からこれほど洗練されたパワーデリバリーが得られるとは思ってもみなかった。また、負荷がかかっているときでも、アクセルペダルを踏み込んだときにウェイストゲートがヒューヒューと鳴るだけで、サウンドは非常に控えめだ。