なぜ「ランクル70」の人気は衰えないのか? 2年先まで予約待ち! 再再販モデルに乗って分かった真価とは。【試乗レビュー】
2年先まで待つ価値は十分にある
強固なラダーフレームと、車軸が繋がるリジッドアクスルの組み合わせによる走りは、段差や凹凸部分を通過した時に大きめにボディが揺すられるのが特徴であり、独特のクセでもある。昭和のドライバーなら思わず「コレコレ」とつぶやくだろうし、若い世代には新しい乗り物に乗り込んだという感じが伝わる事だろう。 そしてこちらも変わらずのリサーキュレーティングボール式ステアリングは、ロックtoロック4回転以上という超スロー。直角コーナーなどでは、水車の如くグルグルグルと回し、戻しも同じように回す必要がある。それが下り坂なんかだとボディがぐらりと捩れるような感覚も伝わってきてちょっと焦ったりする。しかし、これらを総じて“楽しい”と思えるようになればこっちのものだ。 大きく変わったのは直進性。高速道路を走ると、これまでのように当て舵を加える事なく、とにかくまっすぐに走ってくれる。これは嬉しい。そして乗り心地も改善。リアのリーフスプリングを、10年前の記念モデルの6枚から2枚に減らした(耐久性は変わらず)ことによる効果だ。高速道、一般道、河川敷の砂利道などを走った今回の燃費は約9km(WLTCモードは10.1km/L)。130Lのタンクに燃料を満たせば、はるか1,000km以上先まで無給油で辿り着ける。軽油なので、おサイフにも優しいのだ。 “70”の月販台数は400台で、すでに2年先まで予約で埋まっているらしい。それだけ待っても価値が変わらないことをみなさんご存知だからだ。 SPECIFICATIONS トヨタ ランドクルーザー“70” AX|Toyota Land Cruiser“70” AX ボディサイズ:全長4890×全幅1870×全高1920mm ホイールベース:2730mm 車両重量:2300kg 駆動方式:パートタイム4WD エンジン:2.8リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボ 総排気量:2754cc 最高出力:150kw(204PS)/3000-3400rpm 最大トルク:500Nm(11.0kg・m)/1600-2800rpm トランスミッション:6段AT 価格:480万円(税込)
文と写真=原アキラ