園子温監督の映画人生 心筋梗塞からハリウッドデビューへ
作品評価は時間を経て決まる SNS気にしてもしょうがない
作品は世に出るとひとり歩きを始める。ネット時代、どんなクリエイターも作家も役者もSNSでは称賛ばかりではなくバッシングを受けることもある。インパクトある作風でハリウッドデビューという大海に船出した園さんは、SNSでの反響をどのように受け止めているのだろうか。 「気にするときは気にしますけど、気にしてもしょうがないんですよね。僕の好きな『エクソシスト』は公開当時日本でもアメリカでも評論家があんな映画はクソだって言ったんです。ほめた人はごく少数。なのにいまは古典的名作とか言われている。いつどこで評価が変わっていったんだって思うんですけど、時間とともに変わるものなんでしょうね。アカデミー賞作品賞を受賞したからってずっと残るわけでもなく、忘れ去られる作品もある。結局時間の経過にどう耐え得る作品になっているのかっていうのが一番大事なのかなと。映画にしろ、すべて芸術作品は時間を経て評価が決まっていくものだと思っています」 取材の終わり、コロナ禍の影響を受けここ2年はほとんど仕事をしていなかったと苦笑した園さんだが前向きだ。 「それをいいことに部屋にこもってめちゃくちゃシナリオ書いてたんですよ。もう10本ぐらい書いちゃって、そのおかげでハリウッドの次回作もいま準備しているんです。コロナのお陰って言い方はおかしいけれど、シナリオ書くことで企画がいっぱい積み重ねられたなっていうのはありますね」 「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」は8日公開を前に注目を集めている。そんな中で水面下では早くもハリウッド映画次回作の準備がスタートしているという。園さんはこれまでもこれからもアグレッシブだ。 (写真と文・志和浩司)