ビル・ヴィオラが73歳で逝去。ヴィデオ・アートの第一人者
ヴィデオ・アートの第一人者として知られるビル・ヴィオラが7月12日、自宅で息を引き取った。73歳だった。死因はアルツハイマー病に伴う合併症。 ヴィオラは1951年ニューヨーク生まれ。70年にヴィデオ制作を開始し、72年に最初の作品を生み出しており、以降、ヴィデオ・アートの第一人者として半世紀以上におよぶ活躍を見せた。その作品は生と死、意識、誕生などを主なモチーフとしている。 ヴィオラは76年に初来日、80年に再来日しており、1年半の滞在で禅を含む日本の伝統文化やテクノロジーを学んだ経歴を持つ。95年には第46回ヴェネチア・ビエンナーレにアメリカ館代表作家として参加し、《Buried Secrets》と題した5つの新作インスタレーションを発表。97年にホイットニー美術館で大規模個展が開催され、世界6つの美術館を巡回。また2003年からは個展「受難」がロサンゼルスのJ.ポール・ゲッティ美術館を皮切りに世界巡回した。日本では、2006年から07年にかけ、森美術館と兵庫県立美術館でアジア初の大規模個展「ビル・ヴィオラ: はつゆめ」を開催。その後も世界各地で大規模個展を重ね、近年では2021年に「Bill Viola, Encounter」(釜山美術館)と「Bill Viola: The Journey of the Soul」(プーシキン美術館)を開催した。 2011年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。17年には英国王立アカデミシャン名誉会員となっている。