ハワイ・マウイ島の聖地「ハレアカラ山」で、火口をトレッキングの大冒険
ハレアカラ国立公園のスライディング・サンズ・トレイルは、標高3000mの山頂付近から別世界の景色が広がる火口底へと下っていく魅力的かつ挑戦的なコース。クレーターの底まで約6.3㎞あるこのトレイルを、時間が許す限り下っていく。一面赤砂の大地に、わずかな植物が生息するクレーター内部は、まるで異世界! このクレーターでロケをした映画『2001年宇宙の旅』の世界が広がっている。火星のような赤茶けた風景が広がる独特の地形を歩き進む。
スライディング・サンズ(滑る砂)という名前の通り、火山灰や砂で覆われた道は滑りやすいものの、景色は圧倒的。クレーターの内部へと進んでいくと、火山地帯特有の赤やオレンジ、緑の土壌、珍しい植物、そして広大なクレーターの荒涼とした風景が広がり、地球ではないかのような異世界感だ。 下りは砂のおかげで、前へ前へと足がスムーズに進んだが、帰りの上り坂は足が後ろへ滑ってしまい進みにくい。標高が高いため、息切れなど高山病の症状に注意してゆっくり戻る。 風の音が唯一の伴奏となり、広大なハレアカラのクレーター内を吹き抜けていく。ハレアカラ山では、ビーチリゾートとは異なる、自然の脅威が感じられる冒険が待っている。訪れる際には、突然の雨や強風など、気温の低下に対応できる服装で出かけよう。水、食料、日焼け止め、雨具は必須アイテムだ。
昨年8月にマウイ島西部で発生した山火事を乗り越え、島は復興への歩みを進めている。一部では住宅再建も始まり、観光業も回復の道を歩んでいる。マウイ島は自然の素晴らしさを守りながら、環境に優しい取り組みを取り入れ、訪れる人々に自然との深いつながりを感じさせる、持続可能な体験を提供し続けている。 text&photo:鈴木博美