「子どもの言語脳」をぐんぐん発達させるために、家庭で出来る2つの工夫
家族で楽しく「ケーキを分けよう」ゲーム
お誕生日やクリスマスに、ホールのケーキを買ってきますか? 年に何回かあるその機会、家族や親戚やお友だちが集まりますね。何等分に切り分けましょうか? 角度は何度に切ってますか? あれ? そんなの考えたことない。適当に切ってる? 年に数回しかない貴重なホールケーキ、もっと楽しみましょう。何人いるのか、子どもと一緒に数えてみましょう。 6人! 6つに切るの、どうしてますか? ママが当たり前に、ササッとやってる? せっかくだから、言語化してみましょう。割り算を実践する機会です。 わっ、5人! 5つに切るの、難しい。奇数は難しいよね。困った! どうする? 6つに切って、ひとつ余らせる? 割り算と引き算の実践ですね。 余らせずに5つに切るとしたら? どう切ったらよさそうですか? 等分にするほうが平等? 5等分って、どうするのかな? 分度器つかう? 大きいのと小さいのを切って、じゃんけんで勝った人から取っていく? ウチは5人家族で、おじいちゃんとおばあちゃんを入れると7人になって、「奇数は難しい」「今日はどうする」とその都度、話していました。 「お腹いっぱいだから、小さいのがいい」とか、「おれの誕生日だから、いちばん大きいのはおれ」とか。ワイワイ言うのも、お祝いならでは、楽しみのひとつです。 こんなふうに、数字は、もともと実体のあるもの、生活と結びついている、手触りのあるものでした。もともと割り算の起源は、旧約聖書のアダムとイブが一つのリンゴを二人で分け合って食べたこと、と言われています。 数字は、紙の上のもの、頭の中のもの、単なるデータである。算数や数学は、生活とはかけ離れた縁遠いものである。そんなふうに捉えると、「数学なんて勉強しても実生活では使えない」なんて、もったいない認識になってしまいます。 「学校での勉強は、社会では役に立たない。ムダだ」と言っている人が多くて、本当に残念に思います。上の学校、高校や大学に入り、就職するための通過点、としか捉えていない人もいます。ということは、「役に立たないムダ」なものを9年間も、それ以上も、学んでいる子どもたちもかわいそう、ということになります。 おうちでの工夫一つで、算数や数学への興味や動機づけはできます。算数や数学は、論理的な思考の基礎を築くものです。勉強がすべてでは、ありませんが、わざわざ苦手意識を持たせなくてもいいですよね。
田嶋英子