寝袋からダウンジャケットへ「NANGA(ナンガ)」の「AURORA DOWN JACKET(オーロラ ダウン ジャケット)」の進化の歴史
生地はAURORA-TEX®、止水ファスナー、そして先ほどお話しさせていただいたスペイン産の羽毛を150g搭載した760フィルパワー[1]のアイテムになっています」
ジャパンリミテッドモデル「AURORA DOWN JACKET IBUKI」
近年、NANGAを取り巻く環境も大きく変わってきている。生産規模、販売店の数などが増えていくなか、よりもの作りに打ち込める環境を作り、新しい商品を生み出すための取り組みが進んでいるという。
「グローバル化に向けて昨年から生産体制を海外にしたのですが、羽毛をはじめとする資材はすべて日本から持ち込んで、品質管理もすべてハンドリングしながら生産しています。
もちろん国内の自社工場も協力会社も稼働しているので、ジャパンリミテッドモデルの『AURORA DOWN JACKET IBUKI(オーロラ ダウン ジャケット イブキ)』もリリースしています。デザインも大きく変わり、販売する場所も厳選されている特別なモデルになっています」
「NANGA MOUNTAIN LABORATORY」という研究機関
NANGAのアイテムが日々進化しているのには理由があった。それは自社の研究機関だ。ここでのテクノロジーがNANGAの製品に搭載されるようだ。
「『NANGA MOUNTAIN LABORATORY(ナンガ マウンテン ラボラトリー)』という自社の研究機関を設けていまして、80年間の知見、ナンガになってから来年で30年ですが、いままでの羽毛を使ってきた知見を生かせば、もっといいもの作りができるのではないか、ということで設立したもので、構造、羽毛、暖かさについて研究しています。 第1号で『LEVEL8(レベル8)』という寝袋を作りました。それは、-23℃の過酷な環境下でも快眠できるというもので、その寝袋のノウハウを生かして逆に布団を作る、そういうもの作りをしながら生まれた技術が、先ほどご紹介した『AURORA DOWN JACKET IBUKI』のディテールにも使われています」
噂には聞いていたが羽毛へのこだわりの強さを改めて感じ、NANGAが選ばれる理由がとてもよく分かった。近年、海外でも人気でアメリカ、アジア、EU、などNANGAのアイテムが手に入る国が増えてきている。 アメリカとフランスの展示会に出展していて、「海外進出を始めた7~8年前はアジア諸国の1ブランドという認識でしかなかったのですが、チャンレンジを続けていくなかで徐々にNANGAの製品の良さに気づいてくれるようになりました。」と米澤さんは話してくれた。 いまではNANGA目当てで買い付けに来てくれる海外バイヤーもいれば、海外の展示会でベスト賞をもらうこともあったという。日本のNANGAが世界基準のクオリティーだと認められていることがわかる。国内外へ広がっていくNANGAの展開に今後も注目していきたい。 [1]フィルパワーとは数値が大きいほど空気を多く含むため、保温性に優れた良質なダウンといえる。フィルパワーが大きいと、少ない量のダウンでかさ高いダウンが作ることができるため、軽いウエアとなる。