SNS は本当につまらない場所なのか?ユーザー心理とプラットフォームの本質を問い直す
SNSは単なるトレンドではなく、長期的なデジタル遺産として活用する可能性があり、その価値を再評価する必要がある。主要プラットフォームの国内外の動向を分析し、SNSの運用とユーザーの心理における「バズ」の影響を探る。 Z世代の元ヘビーユーザーの視点を通じて、アルゴリズム主導のコンテンツフィードに対する不満と、その影響を受けたSNSの使い方の変化を紹介する。ユーザーリテラシーの向上と感情の数値化が求められるいま、SNSはどのように進化し続けるのか。 本記事では、ソーシャルメディアのエキスパート、オウイエ聖羅氏がユーザーにとって何が有益であるかをいま一度問い直し、SNSを取り巻く環境を考察した。 ◆ ◆ ◆ 「もはやフィードには自分の意図とは関係のないコンテンツで溢れ、必要以上に追うことはとっくにやめた」と語るのは、Z世代の元プラットフォームのヘビーユーザーだ。 アルゴリズムをハックするべく、プラットフォームの裏をついたSNS運用論など、喉から手が出るほど欲する業界人はかなり多いのではないだろうか? だが、いまSNSで起きているムーブメントや流れに冷静な視点を持ち、本来プラットフォームが持つ特性や価値を見直す時でもあると感じる。 本記事では、ユーザーにとって何が有益であるかをいま一度問い直し、SNSを取り巻く環境を考察した。
SNSを取り巻く世界はもうすでに、使い尽くすところまでいった
現在SNSの状況を語るには、「定量的」「定性的」な両方を十分に理解していく必要がある。まずは、定量的な側面での現状を考察する。 世界的に見た際、人気の高いプラットフォームの上位3位には、YouTube、Facebook、インスタグラムの順番に君臨している。どのチャネルもユーザーを着実に増加させているのは、周知の事実だろう。 一方、国内の動きとしては、YouTube、インスタグラム、LINEの順番でもっともポピュラーとされている。国内外の動向を見ても、動画や静止画でのビジュアルコミュニケーションの活発なプラットフォームが上位を占めている。 Facebookとインスタグラムを運用するメタ(Meta)のパワーを感じると共に、現在Meta Quest(メタクエスト)やRay-Ban(レイバン)サングラスをリリースするなど、リアルとデジタルの垣根を超える施策も記憶に新しい。