「Jリーグ→海外」の最高額は? 日本人歴代移籍金ランキング11~20位。高い金額で海を渡ったのは?
15位:堂安律(どうあん・りつ) 生年月日:1998年6月16日 移籍先:ガンバ大阪→フローニンゲン(オランダ) 移籍日:2018年7月1日 移籍金:170万ユーロ(約2.72億円) ガンバ大阪の育成組織で育った堂安律は、16歳でJ1デビューを飾るなど、異例の速度でステップアップを続けたタレントで、2017年夏にオランダのフローニンゲンへ期限付き移籍で加入した。ヨーロッパ1年目でリーグ戦29試合に出場して9得点を記録すると、2018年夏に移籍金170万ユーロ(約2.72億円)の買い取りオプションを行使して、完全移籍に切り替わっている。 フローニンゲンが2017年に堂安を獲得した際の市場価値は15万ユーロ(約2400万円)だった。そこから1年間で250万ユーロ(約4億円)に価値が高まったところで170万ユーロで完全移籍ということで、フローニンゲンにとっては大当たりだった。さらにフローニンゲンで活躍を続けた堂安は、2019年夏に750万ユーロ(約12億円)でオランダの強豪PSVに移籍しており、フローニンゲンは堂安の移籍金で580万ユーロ(約9.28億円)の利益を得たことになる。日本の有望株を早い段階で獲得して育てて売却するというビジネスの成功例と言えるだろう。 その後、堂安はシーズンによって良い時期も悪い時期もあったが、ギラギラとした闘志を絶やすことはなく、着実にステップアップを続けている。2023/24シーズンはドイツのフライブルクでブンデスリーガ30試合に出場。7得点4アシストと結果を残しており、最新の市場価値は1800万ユーロ(約28.8億円)となっている。そのステップアップの一歩目が、フローニンゲンへの移籍だった。
14位:中村俊輔(なかむら・しゅんすけ) 生年月日:1978年6月24日 移籍先:横浜F・マリノス→レッジーナ(イタリア) 移籍日:2002年7月3日 移籍金:200万ユーロ(約3.2億円) 中村俊輔は、横浜F・マリノスで活躍し、2000年にJリーグ年間最優秀選手賞を受賞するなどして、日本屈指のMFの座を確固たるものとした。しかし、2002年の日韓ワールドカップではサッカー日本代表メンバーから落選。その夏に200万ユーロ(約3.2億円)の移籍金でイタリアのレッジーナへ加入した。 日本を代表するレフティーは、イタリアで見事なスタートを切った。2002/03シーズンのセリエA第3節インテル戦で前半からキレキレのプレーを見せると、試合終了間際にはPKでイタリア初ゴールを記録し、ホームデビュー戦で好印象を残した。ここから3試合連続得点を挙げて一気にファンの信頼を勝ち取っている。 イタリア2年目は負傷離脱の時期もあって出番が少なくなったものの、中村はレッジーナ在籍中に日本代表として2004年にAFCアジアカップMVPを受賞するなど、たくましく成長し、2005年夏にスコットランドのセルティックへ移籍している。 セリエAデビューシーズンに7得点5アシストという見事な結果を残したあとの2シーズンは数字の上でそれほど伸びなかったため、中村のレッジーナ時代はあまり注目されないことが多いが、セルティック加入時の移籍金は420万ユーロ(約6.72億円)とされており、イタリアでの成長は高く評価されている。その後のセルティックでの輝きにつながったという意味でも、イタリアでの3シーズンは価値あるものと言えるはずだ。