「Jリーグ→海外」の最高額は? 日本人歴代移籍金ランキング11~20位。高い金額で海を渡ったのは?
17位:長友佑都(ながとも・ゆうと) 生年月日:1986年9月12日 移籍先:FC東京→チェゼーナ(イタリア) 移籍日:2011年1月27日 移籍金:160万ユーロ(約2.56億円) 長友佑都は、2010年の南アフリカワールドカップでサッカー日本代表として活躍したことがヨーロッパで注目を集め、同年7月にFC東京からイタリアのチェゼーナへ期限付き移籍した。 初のヨーロッパ挑戦ながらすぐにフィットした長友は、セリエA開幕戦から先発でピッチに立つと、左右のサイドバックとして全試合にフルタイム出場を続けた。得点に絡むことは多くなかったものの、イタリア国内で注目度が高まり、2011年1月の移籍市場の閉鎖間際に強豪インテルへ移籍している。 チェゼーナは1年間のレンタルで長友を獲得していたが、インテル移籍に際して買い取りオプションの行使を早め、2011年1月27日に一度チェゼーナに完全移籍した上でインテルに移っている。このときの移籍金が160万ユーロ(約2.56億円)だ。 長友をチェゼーナに導いたのは、のちにJリーグで指揮を執ったマッシモ・フィッカデンティ監督だった。当時チェゼーナの指揮官だったフィッカデンティは当時、イタリアメディアのインタビューで、「私が長友の獲得を会長に進言した。会長が聞き入れてくれてありがたかったし、私の判断が正しかったことが証明されてうれしい」と語っていた。 長友のチェゼーナ在籍期間はわずか半年だったが、チェゼーナは長友の売却でインテルから650万ユーロ(約10.4億円)を得ており、クラブの財政に大きな影響を与えている。長友にとっても、ビッグクラブに飛躍するきっかけとなったクラブであり、大きな意味のある移籍だった。
16位:鎌田大地(かまだ・だいち) 生年月日:1996年8月5日 移籍先:サガン鳥栖→フランクフルト(ドイツ) 移籍日:2017年7月1日 移籍金:160万ユーロ(約2.56億円) 2015年にサガン鳥栖に加入してプロキャリアを始めた鎌田大地は、高卒ルーキーながらコンスタントに出場し、デビューシーズンでJ1リーグ21試合に出場して3得点を挙げた。その後も着実に成長を続けて、2017年夏にドイツのフランクフルトへ移籍。そのときの移籍金が160万ユーロ(約2.56億円)だった。 2018/19シーズンにシント=トロイデンへ武者修行に出た鎌田は、ベルギー1部リーグで15得点7アシストという圧倒的な活躍を見せると、レンタルが終わったときの市場価値は450万ユーロ(約7.2億円)に上昇し、その後はフランクフルトの主力に定着した。2021/22シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に貢献し、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも活躍したことで、市場価値はグングン上昇して、2022年には3000万ユーロ(約48億円)に到達している。 鎌田は2023年夏に、フランクフルトとの契約延長を断ってフリーとなり、イタリアのラツィオに加入した。そのため、フランクフルトは移籍金を得られずに主力を手放した格好となったが、160万ユーロで獲得した選手がここまでの活躍をしたのだから、良い取引だったと言えるだろう。 2024/25シーズンからイングランドのクリスタル・パレスでプレーする鎌田は、これまでのキャリアで移籍金が発生した移籍は、フランクフルト加入時のみである。新天地への適応などさまざまな要因があるとしても、鎌田自身が契約のたびに自分のキャリアのステップを長期的に考えて決断してきた証と言えるかもしれない。