「食べる」ということの原点に。「KURKKU FIELDS」で体験できる、おいしいサステナブルとは?
今回、「KURKKU FIELDS」の隅々を案内してくれた山名新貴シェフ。大阪の名リストランテ「クイントカント」で4年半経験を積み、その間にスーシェフも経験。東京の会員制レストランではシェフを務めた後、「KURKKU FIELDS」へ。「DINING」のシェフを経て2022年11月にオープンした「perus」のシェフに就任。
「DINING」に集まった「素材の物語」は、食材そのものの個性を活かしたシンプルな料理として、食べた人たちの心の奥深くに響く。
たとえば「水牛モッツァレッラチーズのマルゲリータ」に使う水牛モッツァレッラは、水牛飼育も担うチーズ職人・竹島英俊さんが朝3時から乳を搾り手作りする。また、トマトもバジルも、ピッツァ生地に用いる小麦の一部も敷地内のオーガニックファームでとれたもの。そのピッツァを頬張れば、水牛モッツァレッラの清々しくミルキーな旨みと、トマトのピュアな凝縮感、噛むほどに広がる生地の素朴な味わいが見事に調和。
農場からテーブルへとつながるおいしさのバトンを、じっくり感じることができるのだ。
スイーツにも農場の恵みがギュッと詰まっている。牛の餌やりから搾乳までを行う酪農スタッフが運営する「MILK STAND」。名物のソフトクリームは、場内で放牧飼育するブラウンスイス牛のミルクを100%使用。脂肪分が高く、コクと甘みがあるのに、後味はすっきり。フレッシュなミルクをそのまま飲んだような、清らかな味わいだ。
指で押すと、跳ね返すような質感が際立つシフォンケーキは、丘の上に立つスイーツの店「CHIFFON(シフォン)」で作られている。味の要は、ブラウンスイス牛のミルク、そして広々とした鶏舎の中で産まれる新鮮な卵だ。まさに、シンプルの極み……。
その卵が育まれるのは、ちょっとした運動場のような鶏舎!「通常の平飼いの2倍の広さはありますね」とは、養鶏担当の松村洸太さん。人懐っこい鶏たちがのびのびと走り回っている。松村さん、目指すべき卵の味わいは? 「コクに頼らない、自然なおいしさです」ときっぱり。