糖尿病の治療薬「GLP-1受容体作動薬」は肥満症にも効果があることをご存知ですか?
GLP-1受容体阻害薬に関するリスクとは?
編集部: 個人輸入したGLP-1受容体作動薬を使用するリスクについて教えてください。 志田さん: 医薬品を個人輸入する場合の1番のリスクは偽造製品や粗悪品の可能性があることです。偽造製品については2016年に製薬企業4社がおこなった調査ではネットで購入したED(勃起不全)治療薬の4割が偽造品だったと報告されています。粗悪品については、有害な不純物を取り除く工程を省いて製造しているものや、冷蔵・冷凍の状態を保つなどの適切な温度管理がされていないものなどがあります。成分が分解してしまって効果がないならまだしも、有害な不純物や分解物が含まれていると健康被害に繋がります。また、個人輸入の薬を使用した場合に健康被害があっても、医薬品副作用被害救済制度の救済対象になりません。 編集部: GLP-1受容体作動薬を使用する上で、食生活や運動での注意点はありますか? 志田さん: 効果を最大限に高めて副作用を最小限に抑えるためには、食事では糖質制限をしないことが必須で、運動は適度な有酸素運動をすることが望ましいですね。有酸素運動によって代謝を上げることで効果が高まります。一方で、過度な無酸素運動や糖質制限は副作用の低血糖に繋がります。 編集部: その他、GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する注意点を教えてください。 志田さん: 1番の注意点は、医薬品副作用被害救済制度の対象外になってしまうことです。この制度は保険適用で処方された薬を指示どおりの用法と用量で使用した場合のみ利用できます。そのため、適応外使用の場合は保険適用にできないため、指示を守っていても制度を利用できず、治療費は全額自己負担になります。薬と身体との相性でごく稀に非常に重篤な副作用が出ることもあります。早期に発見できれば重症化を防げることが多いので、特に使い始めは自分の体調の観察をしっかりし、少しでも違うと思ったら早めに医療機関を受診してください。