カーリング因縁の日韓戦の明暗を分けた藤澤五月vs“メガネ先輩”のショット成功率の違い…71%と90%
午前中に行われた第5戦でアメリカに6-8で競り負け、2勝3敗と黒星が先行した。夜の日本戦でも敗れれば、決勝トーナメント進出へ向けて限りなく赤色に近い黄信号が点灯する。追い詰められた状況で“メガネ先輩”の愛称で日本のファンにも広く知られる金恩貞が、スーパーショットを連発してチームを引っ張った。 1-2で迎えた第3エンドでダブルテークアウトを連発。最終投で3点を奪って再逆転に導くと、先攻の第4エンドでは韓国のNo.1ストーンを隠す巧みなドローショットを連発。藤澤のミスショットを誘ってスチールに成功してリードを広げた。 後攻の日本がビッグエンドを狙った第7エンドでも、第1投で完璧なヒットアンドロールに成功。No.1からNo.4までのストーンを韓国が占める状況を作り出し、スチールによる追加点を奪った。続く第8エンドでも第1投でダブルテークアウトを決めて、結果的に日本の反撃を最少の1点にとどめて逆転への気勢を削いだ。 第9エンドまでのスタッツで、金恩貞のショット成功率は実に90%に到達した。そのうちドローは85%を、6本を放ったテークアウトに至っては100%をマーク。最後に頼れる大黒柱が控える安心感が、リードからサードまでの思い切りのいいショットを引き出したのか。韓国のショット成功率86%は、日本の81%を上回っていた。鈴木が「何でも決まる」と言及した韓国の絶好調ぶりは、金恩貞を抜きには語れなかった。 試合開始前の段階で、藤澤、金が属するフォースの中でトップの84.7%だった藤澤の成功率は韓国戦に限れば71%にとどまった。スキップが明暗を分けた一戦となったが、金恩貞自身は胸中に抱いていた悲壮感に近い思いを、試合後に韓国メディアに明かしている。 「日本は手強いライバルだけど、意識しないで対戦国のひとつだと思って戦った。私たちは連敗していて不安だったし、この試合は絶対勝ちたかった。ただ、そういったプレッシャーを仲間にかけないように、ベストを尽くしてショットをコントロールした」