日銀・黒田総裁会見9月19日(全文1)7月の政策修正「評価するのはやや性急」
リスク要因について
NHK:NHKの【アズマ 00:11:16】です。今回決定の文書の中に、4番目でリスク要因というのをまとめて、現在考えられるものを挙げられています。7月の決定会合以降もトルコのリラが安くなったりといった、金融市場の動揺もありましたし、足元では、トランプ政権がまたさらなる第3弾の対中の制裁関税といった要因が出ています。こうやって出されたというのは、やはりリスク要因というのが、徐々に膨らんできているという判断があったからということなのでしょうか。 それから、もう1つ、ここ1カ月辺り、国内では災害が相次いでいまして、関西や北海道でインバウンド需要というのがちょっと懸念されて、今後懸念されている状況ですが、その辺りのリスクについては、今回どのように話し合われたのでしょうか。 黒田:前段のところについては今回の公表文でもパラグラフ4で示しておりますとおり、海外発のリスク要因を挙げているわけであります。そのうちトルコ、アルゼンチンなど一部、新興国の為替の急激な下落とか、あるいは通商問題、保護主義的な動き等、いろいろな動きが生じていることは事実でありまして、そういったリスクをどの程度とみるかというのはいろんな議論があると思いますけど、例えばIMFは今年の春と先日のG20の際のIMFの世界経済の見通しと、春先と夏の見通しはまったく変えてないんですね。世界経済は2018年、2019年といずれも【**(音飛び) 00:13:31】を見てるわけですけども、リスクは若干強まってると、通商問題等を含めてということは述べておりますけども、今のところ、それによって何かメインシナリオが変わるというような状況にはなっていないと。ただリスクはやや強まっているというのがIMFのここで示されているような状況に対する見方でありまして、われわれもそういった見方をしておりますけども、リスクの内容が変わったとか、メインシナリオに影響が出てきているという話ではないということであります。 それから2番目の自然災害の話は、これはまさに私どもとしても単に犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとか、あるいは被害に遭われた方にお見舞いを申し上げるっていうだけでなく、本支店を通じて銀行券の供給とか、資金決済に万全を期しておりますし、それと同時に今ご指摘のような一連の災害の影響に関する情報収集と分析を行っております。現段階ではそれぞれの被災地で浸水とか停電によって物流インフラに被害が及んだり、あるいは生産設備とか小売、外食の影響が、停止するなどの影響が見られたことは事実でありますが、地域によって差はあるものの生産設備や被災店舗の復旧はかなり進んでいるようでありまして、これの経済的な影響というのはおおむね一時的なものにとどまるような感じを受けております。ただ引き続き情報と分析は行っております。 ただ確かに観光業については予約のキャンセルとか新規予約の減少とかインバウンドへの影響などが懸念されているところでありまして、こういった動きが長期化することがないかどうか、一連の災害が地元経済、あるいは日本経済全体に与える影響をしっかり点検してまいりたいと思っております。その意味で当然、政策決定会合でも自然災害の影響についての議論はあったわけですが今、申し上げたようなところが【***(音飛び) 00:16:27】、現時点でこれが重大な、日本経済への影響をもたらしているというものではありませんけれども、インバウンドを中心とした観光業に対する影響その他、地域経済に対する影響は十分、注視していく必要があるというふうに考えています。どうぞ。