いつも笑顔を絶やさない圧倒的ムードメーカー。川崎フロンターレU-18・齊名優太がこのチームにいる価値 高円宮杯プレミアリーグEAST 横浜FCユース×川崎フロンターレU-18マッチレビュー
「自分は守備が課題だったんですけど、最近は相手の攻撃の芽を潰すところもできてきていますし、ボランチの間のところはパスを通させないことも結構意識してやれているので、そういうところは最近伸びていると思います」。自分の中でも確かな進化を感じていることは間違いない。
この日の相手は首位を快走する横浜FCユース。勝点差を考えても、今シーズンのキーゲームになり得る一戦。「今日も行こう!今日も行こう!1位、食っちゃおう!5、4、3、2、1!」。11人のスタメンはいつも通りの齊名の掛け声で、大事なアウェイゲームの90分間へと送り出される。
「正直、1位の相手を食ってやろうと意気込んでやってきたんですけど、前半は相手もちょっと引いてきた中で、もうちょっとボールを動かしたりできたんじゃないかなって思って見ていました」と齊名。川崎U-18は前半終了間際に先制点を献上すると、63分にも2失点目。小さくないビハインドを背負ってしまう。
68分。アップエリアの齊名を長橋監督が呼び寄せる。「『とにかく前に行け!点を獲りに行くぞ!』ということを言われましたし、負けていたので自分も『もう点を獲りに行くしかないな』と思って、出ました」。背番号6は覚悟を携えて、勝負のピッチへ飛び込む。
試合への入り方は最悪に近かった。ファーストパスを相手にかっさらわれ、直後にも自身のパスミスを起点にフィニッシュまで持ち込まれるシーンも。「自分の中では『できるだろ』と思って入ったら、最初にボールを食われたり、危ない場面を作ってしまったので、そこは自分の反省点ですし、課題だなと思いました」。とはいえ、落ち込んでなんていられない。ちょっとずつボールに触り出し、周囲を動かしながら、自分のリズムを作っていく。
78分。中盤のギャップに潜った齊名は、1年生の藤田明日翔から縦パスを受けると、シンプルに左へ展開。仕掛けた児玉昌太郎のクロスから、恩田がダイレクトボレーでボールをゴールネットへ送り届ける。1-2。諦めない川崎U-18は、もう1点を目指してアクセルを踏み込む。
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