いつも笑顔を絶やさない圧倒的ムードメーカー。川崎フロンターレU-18・齊名優太がこのチームにいる価値 高円宮杯プレミアリーグEAST 横浜FCユース×川崎フロンターレU-18マッチレビュー
84分、84分、76分、78分、85分、87分。前半戦でピッチに立った6試合は、いずれも終盤になってからの登場。先にベンチから呼ばれた“後輩”を盛り上げ、その背中を見送る自分には、最後まで出番が訪れないことも少なくないが、それでも齊名は下を向くことなく、90分間を戦い抜いた仲間を笑顔で迎える。
「自分は試合に出られない時でも、声を出していたら自ずと自分にも自信が付いてくる感じがあるので、少し落ち込んでいる時も声を出すことで、自分を前向きにできていると思います。そもそも僕は人前で落ち込む場面はあまりなくて、みんなといる時の自分は絶好調という感じなので(笑)」
昨シーズンのある試合後のこと。川崎U-18を率いる長橋康弘監督は、まだ2年生だった齊名がチームに与える影響について、こう語っていた。「トレーニングから齊名はメチャメチャ声を出すんですよ。積極的に声を出してくれて、周囲がプレーしやすい環境まで気にしながら、いい言葉を使うんです。大人ですよね。そういう子が出てきて、トレーニング中もかなり声が多くなって、ゲーム中にも『こうやろう』というところが出てきたので、本当に良い流れになったなと思います、齊名は素晴らしいです」
今季の開幕戦の試合後。途中出場でゴールを決めた2年生の恩田裕太郎は、“先輩”が作ってくれる空気感に対して、こんな言葉を残している。「アップしている時から齊名さんとか(山本)健翔さんがいろいろなことを言ってくれるので、凄く力になりますね」。スタッフも、選手たちも、その存在の重要性は十分に理解している。
全国準優勝を味わった夏のクラブユース選手権を経て、2年ぶりのタイトル奪還を狙って挑んでいるリーグ後半戦。最初の2試合は71分に72分と、交代で投入される時間が明らかに早くなった齊名は、第15節の市立船橋高校戦で今季初スタメンに指名され、70分までボランチの一角で奮闘。以前とは立ち位置も変化してきている。
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