社長が愛用する腕時計の傾向とは!? 成功者たちの経営哲学とモノ選びの流儀
メカ好きの心を奪う、徹底した機能美/OMEGA / オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」
10月にお披露目された、BMWの新型「M5」。代表として報道陣の前でプレゼンテーションを行う長谷川正敏の左手首には、いつものようにオメガの「スピードマスター ムーンウォッチ」があった。 「新車の発表会やドイツ本国で役員の前でのプレゼンといった日は絶対にこの時計を着けます。結納返しとして妻が限定2000本のこのモデルを探してくれて、それからよい時も悪い時も、30数年間ずっと着けている時計なんですよ」 他にも所有している時計はあるが、アナログウォッチはすべて機械式。しかも手巻きに強いこだわりがあると長谷川は言う。 「子どもの頃からエンジンで動くもの、そしてメカが好きだったんです。高校生の時にはレーシングメカニックのバイトをしていました。新卒では商社に進みましたが、ラリーのプロジェクトに関わってから、その後はずっと自動車業界で働いて、大好きなクルマを扱ってきましたね」 そんな長谷川が思う、「スピードマスター」の魅力を尋ねた。 「クロノグラフだけれど、文字盤は黒一色に白い針でシンプル。この飾り気のないところがメカらしくて、いつ見てもいいんです」 それはクルマとも通じるところがあるそうだ。 「ロールス・ロイスやMINIは少し違うけれど、BMWには似たムードがあるかもしれません。職人技を非常に大切にしており、走る、曲がる、止まる、この三要素に徹底的にこだわる。装飾することよりも走りの質を追求し、ドライビングの喜びを届け続けている。それがBMWのよさですし、この時計にも感じる機能美だと思います」
シンプルの重要性を、リマインドしてくれる/ROLEX / ロレックス「エクスプローラー」
2022年の社長就任後、“最も革新的なビューティーグルーミングカンパニー”を新たなビジョンに掲げ、成長を目指す後藤秀夫。 「この時計は結婚した時の、妻からのギフトです。シンプルなデザイン、品質の高さ、オンでもオフでも使える汎用性がいい」 シックは100年以上の歴史を持つ伝統あるブランド。本質を守りながら進化する点でロレックスには学ぶものがあると後藤は語る。 「どんな層に向けたプロダクトでも、品質は絶対に重要だということがロレックスやシックが長く愛されてきたことからわかります。その上でビジネスは長く続くほど複雑になるので、必要なものを削ぎ落としてシンプルにする必要もある。このエクスプローラーは、それをリマインドしてくれます」 そんな後藤の右手には、カルティエの「ジュスト アン クル」が。 「釘がジュエリーになる、常識を超え挑戦している点が好きです」 守るべきものと変えていくもの。バランスよく試みていくことが、彼のビジネススタイルなのだ。