発達特性のある人が「 円滑なコミュニケーション」を図るための4つのポイント
知識はひけらかさず、尋ねよう
私は今まで、インタビューやトークショーのお仕事もしてきました。その際ゲストに対して、やってはいけないことがあります。それは、自分の知識をひけらかすことです。 例えば、釣りのプロがゲストでやってきて、「この季節は、小さなかわいいイカがたくさん釣れるんですよ」と話してくださったときに、「知っています! 9月から11月の終わりくらいまでは、コロッケサイズと言われるイカがたくさん釣れるんですよね!」と、私が意気揚々と重ねたら、ゲストはどう感じるでしょうか。 さらに追い討ちをかけるように、「イカ釣りは大好きで昔からずっとやってるんですよ! 一晩で50杯釣り上げたこともあります!」と、こんなことを言ってしまったら、相手はどんどん話す気力をなくしていくでしょう。これは、相手の会話を奪う行為だからです。 日常会話においても、これと同じ現象が起きている場面によく出会います。 誰かが何かについて話題を出したとき、尋ねられてもいないのに自分の知っていることをどんどんどんどん話し続ける人。あなたの周りにもいませんか? 発達障害を持つ私たちは、油断すると興味のあることについてマシンガンのように話しすぎてしまう傾向があるので、くれぐれも気をつけてほしいのです。 人というのは話を聞いてもらいたい生き物です。人の話を奪うことは、絶対にしてはいけません。たとえ知識があったとしても、その知識は心の中に大切にしまっておきましょう。尋ねられたときにはじめて、発言すればいいのです。 また、知識があるのなら、あなたはその場にいる他の人より、話している相手に素敵な質問を投げかけることができるはずです。 好きなものが同じだった場合。自分の話に持っていくのではなく、敏腕インタビュアーになった気分で、 「私もそれ、大好きです。○○さんは、なぜ、それを好きになったんですか?」 こんな風に尋ねて、相手にたくさん話してもらいましょう。相手はきっととても嬉しい気持ちになるはずです。自分が知っていることや、濃すぎる知識を持っているものほど、扱いにはくれぐれもご注意を。