キャンディーズ50周年に伊藤蘭さん「スーさん、ミキさんと歌を共有できる喜び」 紅白初出場、愛娘の趣里さんと「親子で皆さんを少しでも幸せに」
1970年代に絶大な人気を誇った3人組アイドル「キャンディーズ」が今年、デビュー50周年を迎えた。元メンバーで歌手、俳優の伊藤蘭さんがキャンディーズ時代以来46年ぶり、単独では初めて大みそかのNHK紅白歌合戦に出場する。「キャンディーズ50周年 紅白SPメドレー」を披露する予定で、今も輝き続ける「ランちゃん」に話を聞いた。(共同通信=小池真一) 【写真】記者会見で解散について語るスーの田中好子さん、ランの伊藤蘭さん、ミキの藤村美樹さん 1977年
―NHK紅白歌合戦への出場要請を受けた時のお気持ちは? 伊藤さん 正直、迷いました。すぐに「はい、出ます」という感じにはなりませんでした。ちょっとだけ時間をいただきましたね。私が全くふさわしい存在じゃないと思っていたので。若い人からすれば、私は「知らない人」でしょうし。 ですが、お引き受けしたからには、がんばります。キャンディーズの歌は、時代を超えて長く残ってほしいという思いで作られた作品が多く、私も以前のまま歌うつもりです。「昔の歌でしょ」と捉えられることなく、あの時代のいい歌、楽しい歌を、令和を生きる方々に今の感覚で受け止めていただきたいです。 ▽「野音は忘れられない地」 1973年にデビューしたキャンディーズは伊藤さんと田中好子さん(愛称「スーちゃん」、2011年没)、藤村美樹さん(愛称「ミキちゃん」)がメンバー。「年下の男の子」(1975年)、「春一番」(1976年)、「暑中お見舞い申し上げます」(1977年)などを次々とヒットさせトップアイドルに。人気絶頂の1977年7月、東京都千代田区の日比谷公園大音楽堂(野音)のライブで突然、解散を宣言した
―今年開設100周年を迎えた野音で10月、キャンディーズの歌をランさんが歌うライブを開きました。 伊藤さん 野音はなんといっても本当に私たちにとって忘れられない地です。キャンディーズ解散の意志を3人で発表した場所でもありますから。(野音の)あの悠然としたたたずまいが昔と変わっていませんでした。「ああ。受け入れてもらえる」っていう懐の深さみたいなものを感じました。 「ただいま」って感じることができる、言うことができる気持ちにさせてもらいました。本当にうれしかったです。野音は不思議な空間ですよね。 ―野音の会場には、ランさんのファングループ「全国伊藤蘭連盟(全ラン連)」も駆けつけました。最盛期には会員が10万人規模だったという「全国キャンディーズ連盟(全キャン連)」の熱気をほうふつさせました。 伊藤さん キャンディーズ解散から40年以上たっているのに、皆さんが聴きに来てくださる。私もお客さんも音楽を通じて当時の空気を感じることもできる。当時の思い、情熱みたいなことがよみがえってきました。なんだか、無条件に楽しかったです。ホームグラウンドに帰ってきた感じです。ファンの方々と直接触れ合える場所ですから。