キャンディーズ50周年に伊藤蘭さん「スーさん、ミキさんと歌を共有できる喜び」 紅白初出場、愛娘の趣里さんと「親子で皆さんを少しでも幸せに」
歌の時間をスーさん、ミキさんと、そして皆さんと共有できる喜びを大事にしていこうと思います。歌が持っているエネルギーは伝えたいです。 ―スーさん、ミキさんのことを「かけがえのない友」と呼んでいます。 伊藤さん もちろん2人がいないさみしさを感じながら、必要性も感じながら、例えばスーさんのソロパートを私が歌うなどいろいろ工夫をしてやっています。「2人にはいてほしい」と私が一番感じています。「3人でいたらもっと心強いのに」と。 同時に「2人のことを皆さん、どうか忘れないで」と願っています。私の歌う姿を見て2人の存在を、お客さまもきっと感じていただけているのではないでしょうか。 ―キャンディーズはみんなに愛される国民的なアイドルでした。 伊藤さん そうだったのでしょうか。どこか身近に感じる、親しみやすさがあったのでしょうか。「共に生きている」みたいな、別世界ではない、自分事のように受け止められる感覚が、昭和にはあった気がします。そういう時代のキャンディーズは、音楽的にも視覚的にも理想的な存在だったのかもしれませんね。 ―キャンディーズが解散した当時の心境を今どのように見つめていますか。
伊藤さん あの時、何かを求めていたのでしょうね。現実とは違う心の充実でしょうか。満たされることを求めていて、ああいう解散ということになったのかなと思うんですけれどもね。キャンディーズの世界がつくれて、皆さんに認めてもらえて。すばらしい活動ができた。その一方で、やっぱり個々の心がどこか満たされなくて、それを求めていたっていう部分はすごくあると思います。 ▽ブギウギ主演で愛娘の趣里さんと 新刊のエッセー集「Over the Moon」(扶桑社)では母や兄との笑いの絶えない家族のだんらんを懐かしみ、感謝をささげている。今は夫で俳優の水谷豊さん、長女で俳優の趣里さんとのごく「普通」の生活を慈しむ ―愛娘の趣里さんはNHK連続テレビ小説「ブギウギ」で主演し、大ブレーク中です。エッセー集では伊藤さんの実生活の家族を取り上げました。キャンディーズ解散後、求めたのは普通の家族であったことが記されています。歌手活動をご家族はどう見ていますか。