童心に返った大久保嘉人さん 雄大な阿蘇で楽しむゴルフ「こんな気持ちのいい景色の中で」
大久保嘉人のゴルフ場巡り~2ndステージ❺ サッカー元日本代表の大久保嘉人さん(42)が九州のゴルフ場を巡る企画は、熊本県南阿蘇村の「トライアルゴルフ&リゾート ASO COURSE(阿蘇コース)」を訪れた。雄大な阿蘇の山並みを見ながら、災害からの復興の足取りを感じ取った。(松田達也) 時計の針が少しだけ戻った。スタートホールに向かうまで、カートに乗っていた杉山公一支配人が説明してくれた。「ここにあったクラブハウスがなくなったんですよ」。2016年4月の熊本地震でコースや施設に被害を受けた。6年以上が経過しても忘れられない被災の様子を垣間見て、大久保さんも神妙な顔つきになった。 そこから到着した10番ミドル(368ヤード)。この日はあいにくの雨模様だったが、阿蘇の山並みが見渡せる打ち下ろしの絶景が待っていた。引き締まった表情のまま、ドライバーを振り抜くと会心の当たりが雨空を切り裂き、約260ヤードの地点に着弾した。 フェアウエーで打球を確認した大久保さんは、なぜか表情が浮かない。「ここからが課題だから。ドライバーがいいと、2打目が駄目ということがあるからね、ゴルフは」。仕事の合間を縫って、多い時は1カ月で10ラウンド近くも回った月があるという。国内最大級のゴルフ関連ポータルサイト「ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)」と協力して進める企画を通じ、技術の向上に手応えを示しつつも、まだまだ上達への意欲が尽きることはない。10番は残り100ヤード近い2打目をアプローチで寄せ、2パットでパーを奪った。 アップダウンの少ない「トライアルゴルフ&リゾート ASO COURSE」は、地震の後にコースを整備し、丁寧なメンテナンスに取り組む。コース中に見渡せる絶景はもちろん、敷地内にある迫力満点の「あそぶらんこ」に乗れば、童心に返ることができる。併設の宿泊施設「阿蘇キャニオンテラス&ロッジ」もある。杉山支配人は「南阿蘇は観光も充実しており、ホテルをベースにゴルフをしない方もレジャーが楽しめます。もちろん、連泊してゴルフ三昧という方も多いです」と目を細めた。