7月の山岳遭難は最悪ペース…山の診療所と麓の病院の検診で遭難防ぐ リアル“マウンテンドクター” ドラマの医療監修も務める医師が語る山岳医療のリアル
登山者への啓発も重要な仕事
山岳遭難をいかに減らすか。啓発活動も重要な仕事です。 「赤岳鉱泉」での安全講習会には医師も参加していて、この日のテーマは「靴擦れ」でした。 赤岳鉱泉山岳診療所・大橋教良医師: 「水ぶくれはできれば破かない方が…着けておいた方が治りが良いです」 「低体温症」や「日焼け」など身近なテーマで医師がレクチャーする会が頻繁に開かれています。 九州からの登山者: 「お話を聞いて山が大好きだから自分の命を守らなきゃいけないと感じました」 「山小屋に着いた時に診療所の看板が見えたのでほっとしました」
山岳医療の未来を見つめて
取材した週末は雨で登山者は少なく、海外からの団体も登頂を断念するほどで、幸い受診した人はゼロでした。設立から4年。診療所は一定の成果を上げていますが、2024年度中に法人化して地域との連携を更に強化させたいとしています。 ドラマ「マウンテンドクター」では「山岳診療科」の医師が遭難現場に赴き、登山者の治療に当たっています。 現状ではそうした体制は叶いませんが、市川医師は山岳医療の新たな「モデルケース」を作りたいと意気込んでいます。 赤岳鉱泉山岳診療所・市川智英医師(松本協立病院): 「医師が現場に行くことによって出来る処置が変わってきたりとか、山で治療してその続きを病院でというケースも出てくると思います。そういった山の医療と病院の医療をつなげてやっていけるような、まさにマウンテンドクターで実践するようなことが今後できていければ良いなと思います」
長野放送