【独自解説】政府が言う「100年安心」は本当か?5年に一度“年金の健康診断”で見えてきた、世代別「得する人」・「損する人」 経済の専門家が、将来に向けた4つの提言「50代からでも遅くない!」
“実質の減額”はいつまで続くのでしょうか?日本の人口ピラミッドを見てみると、「団塊の世代」とその子どもの「団塊ジュニア世代」に二つ大きな山があります。この、「団塊ジュニア世代」が後期高齢者になる約30年後が現役世代の負担のピークになるといわれています。その後、現役世代と高齢者が適正な割合になり、2057年にはマクロ経済スライドの調整が終了するといわれています。 Q.政府の本音は「長生きしないでほしい」ということですか? (加谷氏) 「そういう見方もされてしまうのですが、政府の一番の本音は『高齢者も元気なうちは働いて、現役世代になってほしい』という隠れたメッセージもあります」
若い女性は年金が上がる?世代や性別で「得する人」・「損する人」
今回、政府が初めて公表した年代や性別ごとの平均年金受給額ですが、状況によって大きな差が出ています。今年度65歳の男性の年金の月額が14万9000円です。今50歳・40歳の人の場合ガクッと下がって14万1000円になります。 Q.何故、40代・50代の男性が低くなるのですか? (加谷氏) 「40代くらいの方は『氷河期世代』と言われていて、非正規雇用であったり、年金が国民年金だけで十分に年金を納めていなかったりする人たちが結構いて割を食う世代なんです」 そして今20歳の人が年金をもらう45年後の年金支給の月額は、15万5000円と高くなります。 (加谷氏) 「先ほどの人口構成の比率の変化で、現役世代が負担しなければいけない高齢者の割合が減るので、ここからは結構年金額が上がってくる可能性があります」 Q.人口自体も減ると思うのですが大丈夫なんですか? (加谷氏) 「年金というのは、現役世代から徴収した保険料で高齢者を支えるという仕組みなので、仮に人口が半分になってその仕組みに大きな変化はないので、年金制度自体はおかしなことにはなりません」 女性の場合、今年度65歳で9万3000円、今60歳の人がもらえるのは9万5000円です。そして若い世代ほど上がっていきます。 Q.女性が若い世代ほどもらえる年金が高いなのは何故ですか? (加谷氏) 「女性も男性と同じように働いて給料をもらう人が増えていて、そういう意味では若い世代ほど典型的な共働き夫婦のようなパターンが増えるので、こういった結果になっています」
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