イスラエルとレバノン「60日停戦」に至った事情、弱体化したヒズボラとイスラエルが迎える試練
イスラエルはレバノンと60日間の停戦合意に至った。アメリカの仲介で実現し、現地時間の2024年11月27日午前4時(日本時間の同日午前11時)から発効した。 イスラエルでは11月26日の夜、10対1の閣議決定で停戦案を承認した。反対したのは「ヒズボラを屈服させる歴史的な機会を逃す」と主張したベングビール国家安全保障相のみである。 そもそもイスラエルは、レバノン国家と戦火を交えているわけではない。レバノン南部から執拗にイスラエルを攻撃し続けてきたシーア派武装組織ヒズボラと戦ってきたのである。
2023年10月7日、ハマスが越境してイスラエルにテロ攻撃を仕掛け、250人以上の民間人を拉致し、略奪などの残虐行為の限りを尽くし、1200人以上を虐殺した。翌10月8日、レバノン南部に陣取るヒズボラはハマスへの連帯を示し、イスラエルに対して無差別ミサイル攻撃を開始した。 ■停戦協定の13項目 その後ヒズボラは、約14カ月にわたってミサイルを撃ち続けてきた。その数は約1万発に及ぶ。平均すると1日に20発以上のミサイルを飛ばしている計算になる。このため、6万人超のイスラエル北部住民は今も避難を余儀なくされている。
今回発効した停戦協定の主な内容は次の13項目である。 ・ヒズボラおよびレバノン領内のすべての武装勢力は、イスラエルに対していかなる攻撃も行わない。 ・同時に、イスラエル陸海空軍は、レバノンの目標に対していかなる軍事行動も実施しない。 ・イスラエルとレバノンは国連安保理決議1701の重要性を認識する。 ・これらの協定は、イスラエルおよびレバノンの自衛権行使を否定するものではない。 ・レバノン南部において、武器の携行および軍事行動が許可される唯一の武装組織は、レバノン国の治安部隊および軍隊である。
・レバノンへの武器または武器関連資材の販売・供給・製造は、レバノン政府の監督下に置かれる。 ・無許可の武器および武器関連資材の製造施設はすべて撤去される。 ・すべての軍事インフラおよび基地は解体され、無許可の武器はすべて没収される。 ・イスラエルおよびレバノンの承認する委員会が設立され、協定の履行を監督し支援する。 ・イスラエルおよびレバノンは、協定違反が予測される場合、委員会とUNIFIL(国連レバノン暫定軍)部隊に報告書を提出する。