65歳以上の世代で「親しくしている友人・仲間」は減少傾向…解決策は?
65歳以上の単身世帯の家計収支の内訳:趣味をはじめようにも経済的に難しい?
人と交流をすると何かとお金がかかります。たとえば、友人と会うにしても交通費や飲食店での食事代などがかかるものです。 また、趣味をはじめようにもお金がかかることが多いでしょう。お金をかけず楽しめる方法はたくさんありますが、習い事をしようにも月謝がかかりますし、楽器やスポーツをはじめようにもいろいろと購入しなければなりません。 活躍するシニアの経歴を見てみると現役時代は大手企業勤務の方が多く、経済的に余裕がありそうな方ばかりです。 ほとんどの人は趣味や娯楽に多くのお金を使えず、うらやましいと思いつつも他人事のようにも思ってしまうでしょう。 ここで、総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身世帯の家計収支を見てみましょう。 ●65歳以上の単身世帯(高齢無職世帯)家計収支 ・実収入:12万6905円うち可処分所得(手取り収入):11万4663円 ・非消費支出:1万2243円 ・消費支出:14万5430円 ・不足分:3万768円 65歳以上の単身無職世帯の実収入は12万6905円ですが、実際に手元に残る金額(可処分所得)は11万4663円程度です。 毎月11万円程度の年金などが手元に入る人にとって、高齢者の余剰資金は少ない傾向にあるといえます。 「食費」が3万円前後かかれば、それだけで収入のうち3分の1がなくなります。また、単身世帯といっても「光熱・水道」は1万円ほどかかりますし、高齢になれば病院に行く頻度が高まることが多いです。 家計収支を細かくみると「教養娯楽」が消費支出のうち10.5%を占めていますが、1万~1万5000円を教養娯楽に使える人が多いといったところでしょうか。 年間で12~18万円程度に換算できると考えると、遠方へ旅行したり、習い事の月謝を毎月支払ったりするのは厳しいケースが多いでしょう。 また、年金だけで生活しているシニアや年金受給額が10万円以下のシニアも珍しくありません。つまり、多くの高齢者が「教養娯楽」にかかるお金を捻出しにくいと考えられます。 次の章では、高齢者が他者との関係を保ち、孤独を感じにくくする方法を解説します。