「関ケ原」と並ぶ天下分け目の戦い「小牧・長久手」 もう知らないとは言わせない? 地元自治体が予算ゼロの「同盟」結成
新たな可能性を感じる同盟のチャレンジ
「小牧・長久手の戦い」に限らず、戦国時代関連の遺跡は、複数の自治体にまたがって散らばっていることが多く、自治体がそれぞれ個別にPRしている内容だけでは、本当の面白さがわからないことがある。 例えば織田信長が今川義元を討ち取った「桶狭間の戦い」の場合、信長が出陣した城は愛知県清須市にあり、戦いは名古屋市や豊明市にまたがるエリアで行われたが、各市がバラバラに情報を発信している。「小牧・長久手の戦い」のエリアはさらに広域にわたるため、各自治体がバラバラに情報を発信していては、全体像をつかむことは難しく話題にもなりにくいだろう。 「予算ゼロ」の同盟がどこまで具体的な成果をあげられるかは未知数だ。しかし、若い学芸員たちが中心となって自治体に横串を通す動きは、これまでにない情報発信が生まれるのではないかという可能性を感じさせてくれる。同盟がどのようなチャレンジをしていくのか、これからも注目していきたい。 (水野誠志朗/nameken)