【阪神】藤川新監督 赤星臨時コーチに託す〝走る虎〟復活…岡田政権2年目で「盗塁激減」の背景
阪神・藤川球児監督(44)が来春2月から行われる春季沖縄キャンプ(宜野座)に、臨時コーチとして同球団OBの赤星憲広氏と糸井嘉男氏(現阪神球団スペシャルアンバサダー)を招聘する考えを明言。現役時代から親交が深かった2人のレジェンドに、指導を託すこととなった。 赤星氏は岡田前政権時から数えて3年連続の春季キャンプ参加。藤川監督も「走塁の部分で磨いておきたい部分がチーム内にはある。(赤星氏は)解説者、評論家としての時期が長いので、選手たちをさまざまな角度から見ることができると思う」とし、現役9年のキャリアで5回も盗塁王のタイトルを獲得した「レッドスターエクスプレス」の手腕に大きな期待を寄せた。 「走る虎」の復活は、藤川政権1年目の重要な課題となるだろう。2019年から23年にかけて、5年連続でリーグ最多のチーム盗塁数をマークしていた猛虎だが、今季はセ5位の41盗塁にまで激減。チーム全体の盗塁成功率も前年の73・1%(同2位)から53・9%(同最下位)まで大きく悪化した。 機動力の鈍りはチーム全体の得点能力の低下に直結し、連覇を逃す一因にもなった。岡田前監督は選手を自由に走らせる「グリーンライト」を良しとせず、ベンチ主導で盗塁の指示を出していたが、今季に限ってはチーム内から「相手バッテリーにこちらの考えを読まれているような気が…。走りにくい」との声も出ていた。 前年の日本一チームだっただけに他球団のマーク、対策が厳しくなった側面もあるのだろう。岡田前監督もシーズン後半戦以降は盗塁のサインを大幅に減らすようになり、犠打などで走者を手堅く次の塁へ送るようになっていった。近本、中野、佐藤輝と走力に長けた選手を多くそろえるだけに来季以降「快足の虎」の復権がかなえば、チーム全体のオフェンス力は大きく向上するはずだ。 選手個々へのグリーンライトか。あるいは岡田流を踏襲したベンチ主導か――。自身の盗塁への考えを問われた藤川監督は「まあそれなりに。それは作戦的なことなので」と言葉を濁したものの来季以降、どのようなベンチワークで選手を走らせるかにも注目したい。
東スポWEB