【速報】令和7年度税制改正大綱…家計に直結する「税制の変更点」と「資産運用の新ルール」〈公認会計士が解説〉
令和7年度税制改正大綱が公表され、家計や資産運用に関わる重要な変更点が明らかになりました。本記事は、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメントで富裕層を担当した経験を持つ公認会計士が執筆。相続対策や節税を考える読者のために、必要な情報をわかりやすくお届けします。 第21回】 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)> 2023.02.07
令和7年度税制改正大綱では、基礎控除や扶養控除の拡充により、家庭の税負担が軽減される一方で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の拠出限度額引き上げなど、資産形成を支援する施策も強化されています。また、贈与税や住宅ローン控除に関する改正も家計管理に大きな影響を与えます。本記事では、資産運用や相続対策を考える際に押さえておきたい改正内容を簡潔に解説します。
【1】 賃金と物価の好循環を目指して
日本経済の成長には、物価上昇に対応した賃上げの定着が必要です。賃上げにより消費が増え、企業収益が向上し、さらなる賃上げにつながる「好循環」を実現するには、生産性向上が不可欠です。特に中小企業では、適正な価格設定やデジタル投資を通じた収益拡大が求められます。
【2】 所得税の基礎控除額の引き上げ
物価の上昇に伴い、税負担が増える課題に対応するため、所得税の基礎控除額を現行の48万円から58万円に引き上げます。 合計所得金額が2,350万円以下の個人について、基礎控除額を現在より10万円引き上げます。合計所得金額が2,350万円以上の個人について、合計所得金額に応じて、以下の控除額が適用されます: 令和7年分以降の所得税から適用されます。給与や公的年金の源泉徴収については、令和8年1月1日以降に支払われる分から適用されます。
【3】 給与所得控除の見直し
給与所得控除とは、給与収入から一定額を控除する仕組みです。この最低控除額を現行の55万円から65万円に引き上げます。令和7年分以降の所得税から適用されます。 地方税における給与所得控除についても、最低保障額が現行の55万円から65万円に引き上げられます。
【4】 特定親族特別控除の新設について
大学生のアルバイト収入などが原因で、親が受けられる扶養控除が制限される問題を改善するため、特定親族特別控除の制度が設けられます。 この控除の対象となるのは、19歳以上23歳未満で、親などと同一生計で扶養している親族です。親元から離れている大学生でも、学費や生活費の援助を受けている場合は「同一生計」とみなされます。 ただし、扶養控除の対象となる親族の所得は、年間合計所得金額が123万円以下となります。それを超えた場合、特定親族特別控除が適用されることになります。配偶者や青色事業専従者は、控除の対象外とされています。 一方、地方税においても、特定親族特別控除が新たに設けられます。
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