「売らない店」を掲げるマルイの“OMO戦略”とは?丸井グループ・相田昭一CDO「昔の百貨店型の小売業とは大きく変わっています」
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。11月25日(土)の放送は、丸井グループ 常務執行役員 CDOの相田昭一(あいだ・あきかず)さんをゲストに迎え、お届けしました。
相田さんは、1996年に丸井(現:丸井グループ)に入社し、人事、経営企画部門などを経て、2011年4月に上海現地法人 丸井商貿の総経理に着任。その後、店舗サポート部門や「博多マルイ」の出店に携わり、2017年に経営企画部長、2023年4月より常務執行役員CDOに就任。経営企画部やスタートアップ投資、DX推進室などを担当しています。
◆“デジタル人材”の育成に尽力
丸井は、1931年に家具の月賦商(げっぷしょう)として創業。以降、小売と金融一体のビジネスモデルを展開しており、「お客さまから見ると、商業施設『マルイ』のイメージが強いと思いますが、ビジネスでいうと、クレジットカード『エポスカード』のフィンテック事業が中心となっています」と相田さん。 現在は、丸井グループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するべく“デジタル人材”の育成に尽力している真っ只中だそうですが、最初は役員だけで、ノーコードツールを使ったアプリのシステム開発の研修に取り組みました。「まずは、トップ層からシステムやアプリなどの考え方を身に付けようというのが狙いでした」と振り返ります。 デジタル人材を確保していくには、雇用と社内育成の両方が必要であると考え、「これからの時代は“デジタル”が前提となりますので、お客さまとの接点はオンラインが中心で、そのなかにリアルがある。そういう形になると、まずは既存の社員が生まれ変わっていかなければならないですし、一方で、新卒・中途も含めて新たな人材の採用もおこなっています。 そのために、スタートアップのUI(ユーザーインターフェイス/ユーザーと製品やサービスとの接点)、UX(ユーザー エクスペリエンス/ユーザーが製品やサービスで得られる体験)のデザイン会社、Goodpatch(グッドパッチ)と合弁会社(株式会社Muture)を作るなど、取り組みをスタートさせています」と話します。 さらに、昨年から社内向けにアプリコンテストをスタート。アプリを作るための研修を実施したうえで、「社内の業務改善や新規事業などを提案するコンテストをやっておりまして、すごく盛り上がっています」と語ります。