秋発売のスズキ「フロンクス」は走りにちょっと上級感!? 辛口モータージャーナリストがホンダ「WR-V」と乗り比べてみました
スズキとしては異例ともいえる凝ったデザイン
フロンクス・プロトタイプの試乗会は、伊豆の修善寺にあるサイクルスポーツセンターのワインディング路(本来は自転車の走行練習、訓練用)を使って行われたが、じつはこの日ここへは、ホンダWR-Vをドライブして行ってみたのだった。この時点では詳細は知らされていなかったが、インド生産のコンパクトSUVであることはわかっていたので、ちょっとした対比にも面白いと思ったからだ。 この日の走行は合計3枠を得られたことで、走行第1枠は豪雨、そして第2枠は雨は上がったが路面はウエット、第3枠は快晴になり路面にところどころにウエットパッチはあるもののほぼドライという、変化に富んだ路面状況での確認が可能だった。 初めて実車に対面した際の印象は、小さいサイズの中で上手くクーペSUVとひと目でわかるスタイリングを得られているということと、一方でアクが強めの造形によって強い印象をもたらす反面、フロントまわりやリアまわりに関しては、とくに欧州系のブランドの車名がなんとなく浮かぶような、そんな思いも無くはなかった。ただ、インドでは、そのデザインに対しての賞をこれまで数多く受賞しているとのことなので、向こうの市場の指向には強く合致しているということかもしれない。 インテリアも、インパネまわりからフロントドアトリムにかけては、かなり複雑な立体的造形を採用している。素材も色使いも従来のスズキの在り方からすれば凝っていることがすぐに知れるが、煩雑といった感もありつつ、このクラスとして立派にあるいは華やかに見せながら、SUVらしい機能感も備えるものとなっているとは思えた。 フロントシートは、サイズ的には不満はないものの、今回のようなワインディング主体のコースでは、ショルダーのホールド性に心もとない感が生じるのは仕方がないところか。一方、快適装備として、シートヒーターを早い時期から軽においても、それも廉価グレードから標準装備化を進めていたスズキらしく、当然のごとく与えられているのは、スイッチの存在で確認している。
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