秋発売のスズキ「フロンクス」は走りにちょっと上級感!? 辛口モータージャーナリストがホンダ「WR-V」と乗り比べてみました
プラットフォームは日本未発売の2代目バレーノと共通
では、フロンクスの成り立ちをざっと。プラットフォームは2015年にアジア諸国で販売開始し、日本では2020年まで導入されていたバレーノを皮切りに採用されたもので、正確に言えば日本には導入されていない2代目バレーノと共通だ。ホイールベースも2520mmで同一、かつ全長が3995mmとバレーノ(2代目バレーノは3990mm)と同じところからしても、車体の基本骨格のあり方も基本的には同じと考えてよい。もっとも、この4m以下ギリギリに抑えられた全長は、インドの税制を考慮したものと知れば、なるほどと思える。 全幅は1765mmで、2代目バレーノより+20mm。もっとも違いのある全高は、それでも2代目バレーノ比でプラス50mmの1550mmと、SUVとしていわばギリギリの低い車高に留められているのは、日本の立体駐車場にまで配慮したものかどうかは聞きそびれたが、諸々使い勝手は良さそうである。 日本仕様のエンジンは1種類で、1.5L・4気筒自然吸気で、ISG(ベルトドライブでモーター機能付き発電機を作動)とごく小容量のリチウムイオン電池を備えたマイルドハイブリッド仕様。モーターとしての出力はわずか2.3kwだし、それによるサポート時間も発進時で最大30秒程度だが、それでも日常走行域での燃費向上には寄与する。 他の仕向地用には1L・3気筒直噴ターボ、1.2L・4気筒自然吸気の設定もあるようだが、トランスミッションとの組み合わせの中で、必然的にこのエンジンが選ばれることになったようだ。 ちなみに、日本独自の仕様として4WDを設定している点にある。フロンクスは、開発当初から日本での販売を考えていたとのことで、積雪地域では軽自動車からして4WDが選ばれることが多い日本では、やはりその存在は大きなプラスになる。同じインド生産でも、現地と同じFWDのみに割り切ったホンダWR-Vに比べて、日本市場への本気度がさらに高いように思わせる点だ。
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