ソフトバンクが巨人・大城をFA調査か 甲斐が巨人にFA移籍で「事実上のトレード」の可能性も
小久保裕紀監督が就任した今年、ソフトバンクは首位を独走して4年ぶりのV奪回。CSファイナルステージも日本ハムに3連勝と圧倒し、日本シリーズに進出した。最多勝に輝いた有原航平、最優秀防御率を獲得したモイネロ、首位打者と2年連続最高出塁率の近藤健介、移籍1年目で本塁打王、打点王の2冠を達成した山川穂高がフォーカスされる中で、縁の下の力持ちとしてチームを支えた甲斐の貢献度は高い。ソフトバンクは、昨季に規定投球回数に到達した投手がゼロだった。先発陣に不安を抱えていたが、好リードで能力を引き出していた。 【写真】かつて西武の中心選手として女性人気を集めたこの選手も戦力外 甲斐は今年4月に国内FA権を取得。昨オフに球団から提示された複数年契約を断り、推定年俸2億1000万円で単年契約を結んだため、今オフに権利を行使する可能性がある。 ■残留がベストだが… スポーツ紙デスクはこう指摘する。 「条件面や待遇を考えれば、ソフトバンク残留がベストでしょう。今年は119試合出場でほぼ全試合出場していた近年より20試合ほど少ないが、長いシーズンを見据えて負担がかからないようにという首脳陣の配慮です。絶大な信頼を置かれていることは間違いない。甲斐も居心地が良い環境だと思います。ただ、野球人生で新たな挑戦をしたいと考えた時にFA移籍という選択肢は考えられます」
甲斐がFA権を行使した時、獲得に乗り出す可能性が高いのが巨人だ。阿部慎之助監督が就任した今年は4年ぶりのリーグ優勝を飾った。CSファイナルステージでDeNAに敗れたが、その戦いぶりは十分に健闘したと言えるだろう。ただ、来季もリーグ連覇を狙うためにはプラスアルファが必要になる。補強ポイントの1つとして考えられるのが捕手だ。今年は岸田行倫がチーム最多の72試合先発でマスクをかぶり、小林誠司が36試合、大城卓三が34試合だった。それぞれの捕手が自身の持ち味を出していたが、絶対的な存在にはなれなかった。巨人は2019、20年と日本シリーズに出場したが、ソフトバンクに2年連続で4連敗を喫している。この時に、卓越したリードで巨人打線を翻弄した捕手が甲斐だった。 ■「事実上のトレード」 「甲斐のすごさは日本シリーズで対戦した巨人の首脳陣、選手たちが肌で感じたでしょう。常勝軍団を築いたソフトバンクの扇の要として活躍し、17年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞しています。18年の日本シリーズ・広島戦では6度の盗塁をすべて阻止し、MVPを獲得しました。侍ジャパンの常連で活躍していますし、バッテリー強化の観点で最も欲しい選手でしょう」(民放のテレビ関係者) ソフトバンクは甲斐の慰留に全力を注ぐだろう。だが、他球団にFA移籍となれば補強が必要になる。2番手捕手・海野隆司、若手の成長株・谷川原健太、ベテランの嶺井博希がいるが、軸になる捕手を考えると心許ない。球界関係者は「ソフトバンクは、今年FA権を取得した大城を高く評価しているという情報が入っています。甲斐が流出するようなら、大城の獲得に動くのでは。『事実上のトレード』ですね。可能性は十分にあると思います」と明かす。