都会暮らしの50歳男性が足にしもやけ きっかけは通勤中の靴…この10年間の気候の変化でなりやすく
「なりやすい体質」は遺伝する
気象庁のデータによると、東京で、2013年11月~14年3月に一日の気温差が10度以上あったのは23日でした。ところが、10年後の23年11月~24年3月には65日に増えています。年によって差はあるものの、しもやけになりやすい気象条件である冬場の寒暖差の大きい日は増加傾向です。 しもやけになりやすい体質は、遺伝します。子どもの頃にしもやけができたことがあるお父さんやお母さんの子どもは、しもやけになりやすいので注意が必要です。子どもは冬でも汗をかきやすく、手足の汗が冷えてくるとしもやけを起こしやすくなるので、タオルでまめに拭き取ってあげてください。また、雨や雪でぬれた靴や靴下をそのままにしていると、足が急に冷えてしもやけになりやすくなります。ぬれた靴や靴下を脱いだ後は、乾いたタオルで足を拭き、すぐに新しい靴下に履き替えてください。 春先になって暖かい日が続くようになっても、なかなかしもやけが治らなかったり、痛みが強かったり、じくじくとした傷ができたりした場合は、膠原(こうげん)病や血管の病気を疑う必要がありますので、皮膚科を受診するようにしてください。
野村有子(のむら・ゆうこ)
慶応大学医学部卒業後、同大皮膚科で免疫に関する病気や皮膚腫瘍の研究に従事。その後、神奈川県警友会けいゆう病院でアトピー性皮膚炎や膠原(こうげん)病などさまざまな病気の治療に携わった。1998年に横浜市に野村皮膚科医院を開業。アレルギー対応モデルルームやアレルギー対応カフェを併設し、皮膚疾患で悩んでいる多くの患者の診療を行う。特に疾患の診断と原因検索、スキンケア指導や生活指導に力を入れている。