2025年度から国民健康保険の保険料上限が「3万円引き上げ」に?負担増による影響について解説
厚生労働省は、2025年度の国民健康保険料に関して、上限を3万円引き上げて109万円にする見込みです。 自営業者や農業従事者、学生など多くの方が国民健康保険に加入していますが、上限の引き上げは、どのような影響をもたらすのでしょうか。 本記事では、国民健康保険料の上限引き上げによって起こる影響について解説します。国民健康保険に加入している方や、これから切り替えをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
国民健康保険料上限の引き上げとは
国民健康保険料は、自営業者やフリーランス、無職の方などの医療費や療養費の負担を軽減するための保険制度です。 そもそも国民健康保険料は、医療分(基礎賦課額+後期高齢者支援金等賦課額)と介護分(介護納付金賦課額)に分けられます。2024年度分は、医療分が基礎賦課額65万円と後期高齢者支援金等賦課額の24万円で計89万円、介護分は17万円です。これらを合計すると106万円になります。 これら3つの賦課額は、「応益割」や「応能割」によって、世帯ごとに支払う割合が決定されるイメージです。計算方法は市町村の条例で定められているため、自治体のホームページや税を取り扱う係に確認してみましょう。 厚生労働省は、2025年度分の国民健康保険料について、医療分の上限を89万円から3万円引き上げて92万円にすることを決定しました。介護分については、17万円で据え置きとなる予定です。そのため、保険料の全体額は109万円となる見込みです。 上限の引き上げは4年連続であり、その理由として高齢化による医療費の増加が挙げられます。総務省統計局によると、2024年9月時点における高齢者数(65歳以上人口)は3625万人で、総人口に占める割合は29.3%です。 国民健康保険に加入している人は、社会保険の加入者に比べて年齢層が高く高齢者も多いため、医療費負担増加による財源圧迫を解消する目的で引き上げを行うと考えられます。 また、保険料率を上げるのではなく上限を引き上げることで、中間所得者層までの被保険者に対する負担が大きくならないよう配慮されています。