中高年女性「ぼーっとする」「落ち込みやすい…」メンタルを回復させる休息の取り方【専門医が解説】
Q.家にいても仕事のことを考え過ぎてしまいます
■A.自然を感じる過ごし方を意識してみてください 情報過多の現代においては、何かとストレスがたまり、副交感神経のスイッチが入りにくくなってしまいます。そして、交感神経が優位になり過ぎると自律神経が乱れ、免疫力も落ちてしまいます。 そんなときは、疲れた心身を癒やすためにも、頭で考えることをやめ、五感を刺激するのが一番。自然の中に身を置くと、自律神経にとてもよい効果をもたらします。 山や海、森など自然に囲まれた環境の中でキャンプを楽しんだりして、のんびり過ごしてみませんか。 休日にわざわざ遠出するのが難しいのであれば、自然豊かなスポットに行かなくても、ごく身近な場所で自然を感じるだけでもOKです。 例えば、気に入った花を買ってきて部屋に飾る。花には、ストレスによってバランスが崩れた自律神経を癒やす力があります。香りのよい花を選んで買ってくれば、心地よい香りも心を穏やかにしてくれます。 自然と触れ合うという意味では、空を見上げるのもよいリフレッシュ法です。空を見上げると気道がまっすぐになり、全身のすみずみにまで酸素と栄養素が行きわたる効果も期待できます。
Q.気付くとぼーっとしてしまいます
■A.ぼーっとするのは次の行動への準備 毎日忙しさに追われていると、何もしないでぼーっとしたくなる人も多いはずです。 あれもこれもと仕事上の負担が増えると、ストレスがたまってピリピリし、自律神経にも悪影響を及ぼしてしまいます。 そんなときに、例えば漠然と空を見つめたり、風景をぼんやり眺めたりすると、交感神経と副交感神経の働きがレベルアップします。 実は人間の脳は、ぼーっとすることによって無意識の状態をつくると、「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳内システムに変わるようにできています。すると、次の意識的な行動の準備ができるのです。 何も考えていないときに突然アイデアがパッとひらめくのは、DMNがオンの状態で、思考のパフォーマンスが上がっているからです。 物理学の有名理論であるアルキメデスの原理も、アルキメデスがお風呂に入ってぼーっとしているときに浴槽からお湯が流れ出すのを見て、水中の物体は、その物体が押しのけた水の重力に等しい浮力を受けることを思いつきました。 ぼーっとするひとときは、脳を覚醒させ、クリアにする効果をもたらすのです。