紀元前3世紀のシラクサの戦いで、ローマ軍を退けた秘密兵器は、なんと「ソーラーレーザー」…太陽エネルギーを集めて、敵艦を殲滅
映画『コンタクト』の舞台に使われて
超大型干渉電波望遠鏡群があるサンアグスティン平原は、カール・セーガン原作のSF映画『コンタクト』の撮影現場に使われたので、「あ~、そうか」と思い出す読者もいるだろう。私自身は、あの映画の中で最も強烈な印象を与えられたシーンだった。 アルキメデスがシラクサの海岸に並べた熱光線兵器群は、凹面鏡の方向こそ異なるものの、この超大型干渉電波望遠鏡群のような壮観ではなかったか。 熱光線兵器の真偽はともかく、凹面鏡の焦点を利用するという原理を考え出したのはアルキメデスと考えて間違いないだろうと思われる。 現在、その原理が太陽熱調理器から、IT時代に欠かせないパラボラアンテナ、さらには遠い宇宙の果てを観測する電波望遠鏡にまで応用されていることを思うにつけ、私は二千数百年前のアルキメデスの偉大さにあらためて驚かざるを得ないのである。 * * * 続いては、第1回で登場を予告した「ローマ軍が最も恐れた兵器」についてお届けしましょう。 古代日本の超技術〈新装改訂版〉 古代世界の超技術〈改訂新版〉
志村 史夫(ノースカロライナ州立大学終身教授(Tenured Professor))