ラグビーW杯残り1年。世界選抜に惜敗した日本代表に浮き彫りになった課題とは?
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)が率いるラグビー日本代表は10月26日、改修したての大阪・花園ラグビー場で世界選抜と親善試合を行い28―31で惜敗。7―24とリードを許した前半に課題を残した。 1年後に迫ったワールドカップ日本大会での予選プール突破が期待されるなか、今秋は11月3日に東京・味の素スタジアムで世界ランク1位のニュージーランド代表と、同17日(現地時間)には、ロンドン・トゥイッケナムスタジアムでエディー・ジョーンズ前日本代表HCの指揮するイングランド代表、24日には予選プールで当たるロシア代表と対戦予定だ。 それに先立ちぶつかった世界選抜は、ロビー・ディーンズ・現パナソニック監督が指揮を執る特別連合軍。陣営には元南アフリカ代表で6月に引退を発表したアドリアン・ストラウス、ニュージーランド代表103キャップ(代表戦出場数)保持のマア・ノヌーといった世界的名選手がずらり。 元ニュージーランド代表で現神戸製鋼のアンドリュー・エリスら、日本で活躍する外国人選手も11名参加していた。このゲームは代表戦にあたるテストマッチではないものの、大本番に向けた「前哨戦のそのまた前哨戦」という位置付けにあった。 日本代表の注目点は、独自スタイルをどこまで貫けるかだった。具体的には、磨き上げてきたアンストラクチャー(セットプレーを介さない攻防)からの組織的な攻め、前へ出る守備システムの完成度が問われた。 果たして前半は、スタンドのため息を誘った。 まず、チーム内で重要視していた立ち上がり。ペナルティーキックからの速攻などで敵陣深い位置へ侵入も、その後の連続攻撃をミスで終えた。それぞれが所定の立ち位置に入って球を継続も、防御網を破る回数が限られたような。パスの出し手と受け手のやり取りも単調に映った。 世界選抜のゲーム主将だったエリス曰く「(日本代表は)これから国際舞台でどうトライを取るかを練習できたと思います」。日本代表の左プロップである稲垣啓太は、反省点と今後の見通しをこう語った。 「入り自体は悪くはなかった。でも、トライは取れなかった。ゴール前に入ってから一辺倒になったという感じはありました。(球の動かし方の)バリエーションを増やせばよかった。それは、これからの1週間で改善できると思います」 守っては10分、敵陣中盤左の相手ボールラインアウトから一気に大外へ回され、走られる。カバーに回ったフルバックのヘンリー・ジェイミーも一発で弾かれた。対するスタンドオフのライオネル・クロニエにラストパスが渡り、0―7と先制されてしまった。続く15分にも、やはり大外のスペースを破られるなどして0―12とされた。