「感染数」「医療の負荷」「現場の生の声」 尾身会長、宣言解除の考え方を語る
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は2日、記者会見した。同日には政府がコロナ対策として発出している緊急事態宣言について、栃木県を7日に解除し、東京や大阪など10都府県は3月7日まで延長することを正式に決定。宣言解除の基準について記者から問われた尾身会長は「私自身、当初から解除についてはこんな考えを持っています」と語り始めた。
分科会の提言を受けてきた政府は、感染状況や医療提供体制を「ステージ3」相当まで下げることを1つの目安としながら「総合的判断」で解除していく、との姿勢を示してきた。 尾身会長は「ステージ3」を取り入れた意味について、緊急事態宣言に至らないよう、予兆をつかむためだと説明。さらに、「そのときもう1つ強調したのは、新規感染者の数も大事かもしれないけど、医療への負荷、保健所への負荷、クラスターも(注視する要素として)書いたと思う。(新規感染者などの)数と言うのは一見分かりやすい。だけど、私は当初から数だけで独り歩きするのは止めた方がいいという強い考えがあった」と述べた。 どういうことだろうか。 尾身会長は「なぜかというと、医療は数で計れない部分がある」と指摘。「こういう場合に大事なのは、改善に向かっているかどうか。感染の数もそうだし、医療の負荷、現場の人たちの生の声を聞いて、『なるほど少しずつ良くなっている』ということが大事」だという。 そして、「ステージ2というのは医療への負荷もほとんどないということ。最終的にステージ2にいきたい。ステージ2にいける見込みがないといけない」「(宣言を)解除した後の感染のレベルが、比較的低いことが維持できて、リバウンドする可能性が低いという形での解除が、特にいまは求められている」とも語った。 「単に数がいくつにいったから解除ではない」と強調し、「解除したからすぐに宣言発出前(の状態)にいくのではなくて、その時の状況を考慮しながら徐々に(時短要請などの対策を)解除していくのが大事だ」と、宣言解除後の対策の在り方にも言及した。