明日正念場のサウジ戦…長友に批判集中の森保Jの“左サイド論争”の行方は?
追われる立場の長友はどうか。国際Aマッチ出場試合数を歴代2位の「132」に伸ばしている鉄人は、メディアによる報道やインターネット上で自身への批判があふれ返る状況へ、笑顔を浮かべながら「ありがたい限りです」と感謝した。 「厳しい批判や意見のなかに、自分を成長させてくれるチャンスが眠っている。自分自身を俯瞰的に見なくても、僕をいろいろな角度や視点から見ていただける。日本代表を背負って戦う以上は、ダメならば批判されて当然だと受け止めているので」 2008年5月からA代表に名を連ねてきた長友は、何人もの挑戦をはね返してきた。そのなかでも左利きで、身長181cm体重76kgとサイズも兼ね備える中山は、長友の目に「あそこまで落ち着いて見ていられる選手はなかなかいない」と映る。 「競争が生まれていくのは、素晴らしい状況じゃないですか。競争がなければ人は慢心するし、成長を止める、一番危険な状況になってしまう。なので、雄太(中山)のような若くて、いい選手が出てくると自分のなかでよりいっそうエネルギーが沸いてくる。何よりもチームとして勝ちたいし、ワールドカップに行きたい。だからこそ、この前の中国戦で雄太が素晴らしいアシストを決めたときも純粋に喜べました」 アジア最終予選で史上4人目となる3試合連続ゴールを決めて、すべてを勝利に導いた伊東が君臨する右サイドと比べて、4-3-3システムのなかで南野と縦関係を組む左サイドが機能不全に陥っている状況も、長友への批判を集中させている。 左ウイングの位置よりも中央で、大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)の近くでプレーしたがる南野の思いを理解。自らは左タッチライン際で幅を取るプレーに徹するも攻撃に上手く絡めず、後方に生じるスペースを守田がカバーする展開を強いられてきた。 効果的なクロスをなかなか放てず、パスを受けても出しどころに困っては失うか、あるいはボールを下げる場面が目立つ現状に対して、長友自身もダメ出しした。 「正直、もっと崩したいと思っているところで、一番は僕がもっと躍動しないとダメ、という話ですよね。僕がもっと動いて左サイドを制圧できれば、すごく厚みのある攻撃ができる。その左サイドが停滞しているのは、すべては僕の責任だと思っています。拓実(南野)には中でゴールに絡む仕事をさせてあげたい。そこで僕がすべて打開できれば何の問題もないし、批判もされない。そこはしっかりと受け止めないといけない」