討論会惨敗のバイデン米大統領のささやかれる「代替候補」、トランプ氏を圧倒しうる著名人とは 「もしトラ」恐れる民主党で議論巻き起こる
私がワシントン支局在任中に無党派層の人から「ハリス氏は副大統領として担当している移民問題で成果を上げられていない」(首都ワシントンに住む男性)、「バイデン氏が大統領を任期途中で退任した場合、ハリス氏が大統領に昇格するのは嫌なのでトランプ氏に投票する」(東部マサチューセッツ州在住の男性)といった手厳しい声を聞いた。 ▽42歳の運輸長官の名前も 政治メディアのポリティコが討論会前の今年5月28~29日に実施した世論調査で2028年大統領選で見込まれる民主党候補を同党支持者に尋ねたところ、ハリス氏(41%)に次いで多かったのがピート・ブティジェッジ運輸長官の15%、続いて西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事の14%となった。これは28年大統領選に関する質問だったものの、24年大統領選でバイデン氏が撤退した場合の代替候補として名前が挙がっている顔ぶれだ。 42歳のブティジェッジ氏は、南部インディアナ州サウスベンド市長を歴任。2020年大統領選の民主党候補者争いに敗れた後はバイデン氏を支え、同性愛者なのを公言するアメリカで初めての閣僚となった。
2023年2月に中西部オハイオ州で貨物列車が脱線し、積んできた有害物質が流出した事故では現地入りが遅れたと批判を浴びた。だが、「人の話に真摯に耳を傾けるのが長所だ」(政界筋)とされ、今年3月に東部メリーランド州ボルティモアのフランシス・スコット・キー橋に船が衝突し、橋が崩落して6人が亡くなった事故が起きた際には西部ワイオミング、モンタナ両州への出張予定を取りやめて事故対応を最優先した。 ▽有力候補とトランプ一族の〝因縁〟 アメリカの州として最大の経済規模を誇るカリフォルニア州のニューサム知事は56歳。2004年にカリフォルニア州の主要都市の一つ、サンフランシスコ市の市長に36歳と史上最年少で就任し、カリフォルニア州副知事を経て19年に知事となった。州内で銃乱射事件が相次いだことを踏まえて銃規制強化の取り組みを急ぐなど「リーダーシップがあり、将来の大統領候補になる」(カリフォルニア州に住む男性)と期待されている。