討論会惨敗のバイデン米大統領のささやかれる「代替候補」、トランプ氏を圧倒しうる著名人とは 「もしトラ」恐れる民主党で議論巻き起こる
バイデン氏は党大会で第1回投票に参加する代議員約3900人のほとんどを獲得している。ただ、バイデン氏が身を引いた場合には代議員が誰を支持しても構わないことになり、党大会での投票で過半数の票を獲得した候補が民主党候補に選出されることになる。 有力新聞ニューヨーク・タイムズ(電子版)は6月28日の社説で「バイデン氏が今できる最大の奉仕は、再選を目指さないと表明することだ」と撤退を要求した。 バイデン氏は討論会翌日の6月28日、南部ノースカロライナ州での選挙集会で「大統領職をやり遂げる方法は分かっている」と選挙戦を続ける意向を表明した。 しかしながら、民主党のロイド・ドゲット下院議員が7月2日に「バイデン氏が撤退という痛みを伴い、難しい決断を下すと期待を抱いており、敬意を込めてそうすることを呼びかける」とのコメントを出すなど党内の動揺は収まる気配がない。 CNNが討論会後の6月28~30日に実施した世論調査では、民主党候補がバイデン氏以外になれば民主党の勝率が上がるとの回答が全体の4分の3を占めた。バイデン氏とトランプ氏の対決になった場合にどちらを選ぶかという質問では43%対49%だった。
▽最有力視されるハリス氏の弱点 仮にバイデン氏が撤退を表明した場合、代わりの候補として最有力視されているのが副大統領候補のハリス氏だ。 59歳で検察官出身のハリス氏は、2011年に女性として初めてカリフォルニア州司法長官に就任。連邦議会の上院議員を経て、21年1月にアメリカ初の女性副大統領となった。支持者らはハリス氏が「ガラスの天井」を破り、アメリカ初の女性大統領になることを期待する。 高い知名度に加えての強みは、副大統領候補として選挙戦に挑んでいるため民主党の大統領候補に差し替わっても「ハリス氏が(2024年)5月31日時点で約9120万ドル(1ドル=160円で約146億円)に達した選挙資金の大部分を管理できる」(米NBCテレビ)という点だ。 一方、大統領選で大きな鍵の一つを握る無党派層からの人気がいま一歩なのが弱点だ。ファイブサーティエイトが6月24日に実施した世論調査ではハリス氏の不支持率は49・4%となり、支持率の39・4%を大きく上回った。