「ピッティ」取材24時 新境地「マリーン セル」から“白Tパーフェクト兄さん”まで
ニュースは、ゴルフウエアのカプセルコレクションとスーベニア風Tシャツです。ゴルフウエアはとてもスポーツ用だとは思えない上品な雰囲気と、実はプレーにしっかり対応するディテールや素材使いで、憧れのゴルフスタイルを提案しました。スーベニア風Tシャツは、世界主要都市の旗艦店住所とその都市をイメージしたイラストをプリントしており、日本は東京・南青山の旗艦店の住所をプリントしています。ただ、イラストがなぜかおもいっきり浅草というギャップがレアです。
「ヘルノ」
アウターブランドからトータルブランドへと進化中の「ヘルノ(HERNO)」は、今シーズンも斬新なディスプレーで驚かせてくれました。機能素材を使った名物“ラミナー”シリーズをあえて展示せず、巨大モニターを設置してモデルの着用動画を投影し、ゲストをトータルブランドの世界観に没入させます。
コレクションはオリジンとエクセレンス、コンテンポラリーの3テーマを軸に構成します。清涼感のあるリネンやコットンシルクなどの上質なタッチの素材を使いながら、ワントーンのクリーンなスタイルで提案します。コロナ禍で高まったカジュアルジャケットの需要は継続しており、シアサッカーやタフタ素材を使った、汎用性の高いセットアップ拡充しました。クラシックなストライプシャツに見えて、裏地がメッシュ仕立てになったシャツは「ヘルノ」らしいですが、デザインや機能性を過剰に取り入れず、あくまで日常になじむ気の利いたワードローブという印象でした。
「イキジ」
日本発ファクトリーブランドで気を吐く「イキジ(IKIJI)」は、今シーズンも素敵なコレクションでした。同ブランドは「ポステレガント(POSTELEGANT)」の中田優也デザイナーがクリエイティブ・ディレクターを担い、時代を捉えたラグジュアリーな空気感が、東京・墨田の職人たちの確かな手仕事と融合します。服がかかったラックを見るだけで、日本のモノづくりはやっぱりすごいと誇りに思えるラインアップです。今シーズンはこのベストとポロシャツが個人的に気になりました。ゆったりしたサイズ感と素材の表情が巧みにマッチしています。