「ピッティ」取材24時 新境地「マリーン セル」から“白Tパーフェクト兄さん”まで
展示ブース編 「T」
展示ブースで特に目を引いたのは、「T」の潔い真っ白なブースでした。同ブランドは、アメリカのシーアイランドコットンに魅了された西山健デザイナーが2016年に設立しました。“究極のTシャツ”を掲げてさまざまなバリエーションのTシャツを制作し、同生地を使ったジャケットやパンツもそろえます。価格はベーシックなタイプで1万9000円からと安くはないものの、なめらかな手触りが普通のTシャツとは明らかに違います。資生堂「ザ・ギンザ(THE GINZA)」の制服を19年から手掛けており、現在はANA国際線のファーストクラス搭乗者に配布するアメニティーにも「T」のポーチが採用されており、さらに海外知名度を広げるために、「ピッティ」に昨年6月に続いて2度目の出展を決めました。西山健デザイナーに2度目の手応えについて聞くと、「パーフェクト」と即答。「たくさんの人に興味を持ってもらえたし、海外の有名店との商談も決まり夢のよう。ライフスタイルブランドとして、さらに成長させていきたい」と目を輝かせます。今シーズンの「ピッティ」は少し静かな印象でしたが、“白Tパーフェクト兄さん”のようにエネルギッシュな出展者に出会うと、こちらまで元気になりますね。
「ブルネロ クチネリ」
「ピッティ」で堂々の存在感を放つ「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」は、本能や直感を大切にする“アクツ・オブ・インスティンクト”をテーマに掲げます。自分が思ったように自由に着こなそうという考えのもと、ルールに縛られすぎない、ノンシャランなスタイルを提案します。コレクションには既存のアイテムを積極的に採用し、カラーや素材を変えて新鮮さをプラス。大量に消費されていくデザインではなく、アイデアを大切に未来につないでいくスタンスは、やはり先をいってるなと感心しました。コレクションの詳細はミラノ編で改めてリポートします。